「死なない絵画」の可能性を探る。
美術史家・林道郎の手引きによる
展覧会が開催

DIC川村記念美術館にて、美術史家・批評家の林道郎の手引きによる展覧会「静かに狂う眼差しー現代美術覚書」が開催される。会期は2017年7月8日〜8月27日。

中西夏之 R・R・W-4ツの始まり III 2002  キャンバスに油彩と木炭 181.5×227.5cm DIC川村記念美術館蔵 © Natsuyuki Nakanishi 2017

 DIC川村記念美術館の所蔵作品を新たな視点で紹介する「コレクションViewpoint」。今回は、美術史・美術批評の分野で活躍する林道郎の手引きで、初公開作品を含む約90点の現代絵画を、独自の観点から展示する。

ブラッサイ マティスとモデル、1939年 1973

 DIC川村記念美術館は、ジャクソン・ポロックらに代表される、絵画の本質を追求するモダニズムの中で生み出された作品群を多数所蔵している。戦後アメリカ美術の到達点と見なされたことで飽和状態となった「絵画」は、完結したメディアとして鳴りをひそめ、立体作品などの芸術様式の波に飲み込まれていった。

 しかし「絵画」が消え去ることはなく、現在でもさまざまな作品を見ることができる。

ジョン・マクロフリン X-1958 1958 DR

 本展では、「密室と絵画:静かに狂う眼差し」「反射と透過:表面という問題」「鉛とパン:戦後美術における灰色への沈着と日常性への下降」「筆触のざわめき:手の(無)人称」という4章によって構成される。出展作家もジャクソン・ポロックやロイ・リキテンスタインなど多種多様だ。

 絵画がもつ「人間の感覚や想像力や思考のモデルとしての可能性」を、林道郎による眼と思考によって明らかにする。

 

編集部

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