DIC川村記念美術館の所蔵作品を新たな視点で紹介する「コレクションViewpoint」。今回は、美術史・美術批評の分野で活躍する林道郎の手引きで、初公開作品を含む約90点の現代絵画を、独自の観点から展示する。
DIC川村記念美術館は、ジャクソン・ポロックらに代表される、絵画の本質を追求するモダニズムの中で生み出された作品群を多数所蔵している。戦後アメリカ美術の到達点と見なされたことで飽和状態となった「絵画」は、完結したメディアとして鳴りをひそめ、立体作品などの芸術様式の波に飲み込まれていった。
しかし「絵画」が消え去ることはなく、現在でもさまざまな作品を見ることができる。
本展では、「密室と絵画:静かに狂う眼差し」「反射と透過:表面という問題」「鉛とパン:戦後美術における灰色への沈着と日常性への下降」「筆触のざわめき:手の(無)人称」という4章によって構成される。出展作家もジャクソン・ポロックやロイ・リキテンスタインなど多種多様だ。
絵画がもつ「人間の感覚や想像力や思考のモデルとしての可能性」を、林道郎による眼と思考によって明らかにする。