京都・嵐山の福田美術館で「愛のカタチ -幻の春画《稚児草紙》公開-」展が開幕した(18歳未満は入場不可)。会期は2027年1月17日まで。監修は京都芸術大学准教授の石上阿希、担当は同館学芸課長の岡田秀之。
春画とは、男女あるいは同性同士の親密な姿を描いた絵画を指す。江戸時代に木版画技術の発達とともに普及・流行したが、その起源は平安時代にまで遡る。明治時代以降は「わいせつ物」として規制された歴史もあるが、2013年にロンドンの大英博物館で開催された「Shunga: Sex and Pleasure in Japanese Art」展を契機に、江戸の美意識と高い技術を伝える貴重な文化遺産として再評価が進んでいる。
本展は、画家たちが「春画」で表現してきた愛と欲望、人が人を求める感情の歴史をたどる企画展だ。春画といえば江戸時代の版画が想起されがちだが、会場では14世紀初めに制作されたとされる現存する最古の春画も紹介されている。なかでも、稚児と僧侶らの親密な関係を描いた絵巻《稚児草紙》は、本展が初の一般公開となる。また本作を中心に、谷文晁や月岡雪鼎、葛飾北斎らが手がけた春画の数々が一堂に会する。
今回出展される全43点は、版画ではなく基本的に1点ものの肉筆画だ。注文主の要望に応じて制作された肉筆画ならではの画風に着目すると、春画の新鮮な側面が見えてくる。
第1章「描かれた愛のカタチ」
展示は全3章で構成されている。第1章「描かれた愛のカタチ」では、『源氏物語』から浄瑠璃、浮世草子まで、愛にまつわる物語を主題とした作品を展示する。ここではあえて春画を出さず、導入として「かたちのない愛」をいかに表現するかというテーマのもと選ばれた作品が並ぶ。


例えば、室町時代に制作された《源氏物語図扇面屏風》は、左右の隻に計54枚の扇面が貼られた屏風だ。長らく個人コレクションとして保管されていたが、2019年に同館の所蔵となり、27年ぶりに一般公開された。このほか、上村松園や鏑木清方による近代日本画、江戸の遊里を描いた美人画など、時代を超えた多様な「愛の表現」を観賞できる。



























