清川あさみと名和晃平、初の二人展「Invisible Garden」が開幕。9メートルの共作が描く「みえないにわ」【3/3ページ】

3階から1階、地下へ。建物全体に広がる「庭」

 この展覧会における「にわ」は、3階の展示室だけで完結するものではない。1階の「POLA GINZA」でも、清川と名和による新作インスタレーション《White Garden | PixCell-B.A》(2026)が、銀座の街に開かれるように展開。空間中央には名和の《PixCell-Deer#72(Aurora)》(2022)が堂々と佇む。

清川あさみ・名和晃平《White Garden | PixCell-B.A》(2026)
中央は名和晃平《PixCell-Deer#72(Aurora)》(2022)

 棚には清川によるファウンドオブジェを用いた《Bio Active Garden(Ginza)》(2026)も点在する。さらに、ポーラ ギンザの地下にあるサロンにも名和の新作2点が配置されており、3階のポーラ ミュージアム アネックスから1階、地下へと「Invisible Garden」の世界が建物全体へと広がっていく。鑑賞者自身が庭を散策するように、それぞれの断片をたどる構成だ。

 とりわけ名和は、妹島和世が手がけたポーラ ギンザの空間との関係も意識したという。名和は「エレベーターが開くところから作品が始まると思って、すべて隅々までつくらせていただいた」と話す。さらに「地下も1階も、この3階もすべてがつながるような展示ができた」と語っており、ひとつの展示室を見るというよりも、建築そのものを含めて庭を歩くように鑑賞することが、本展のひとつの鍵となっている。

清川あさみ《Bio Active Garden(Ginza)》(2026)

 タイトルの「Invisible Garden」が示すように、ここでいう「にわ」とは、草木に囲まれた物理的な場所だけを指してはいない。記憶や情報、イメージ、生命、そして鑑賞者自身の知覚が互いに接触しながら、刻々と姿を変える「場」そのものとして提示されている。