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坂本龍一

Ryuichi Sakamoto

 坂本龍一は1952年東京都生まれ。東京藝術大学音楽学部作曲科および同大学大学院音楽研究科で学び、松本民之助に師事。大学院在籍中から編曲などの仕事に携わり始め、78年にアルバム『千のナイフ』でデビュー。幼少期から親しんできたクラシックに、様々な音楽ジャンルを融合させ曲づくりを行う。同年、音楽家の細野晴臣と高橋幸宏とともに、「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」を結成(〜83年)。シンセサイザーなどの電子音楽を用いたエレクトロ・ポップを取り入れた楽曲を発表し、80年代日本の「テクノポップ」の流行につながった。

 YMOの5年間の活動を終えたのちも音楽家として活躍。83年の映画『戦場のメリークリスマス』では音楽を手がけるとともにデヴィッド・ボウイらと共演し、87年には映画『ラストエンペラー』で日本人初となるアカデミー賞作曲賞を受賞している。以後、多数受賞。99年にオペラ『LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999』を公演。ニューヨーク在住中の2001年にアメリカ同時多発テロ事件が発生し、この体験を機に、平和や社会問題への言及をさらに強める。また森林保全を目的に「一般社団法人more trees」(2007年〜)を設立するなど環境活動も積極的に行う。

 14年に中咽頭がんの治療に専念することを公表。17年、復帰後のアルバム『async』は前作から8年ぶりの発表となり、同年にワタリウム美術館(東京)では「坂本龍一acync設置音楽展」が開催された。21年1月、がん再発を公表。闘病中の22年12月、ピアノ・ソロ・コンサート「Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022」を配信し、無観客の事前収録で「戦場のメリークリスマス」のテーマ曲やYMOの楽曲を演奏した。23年1月、アルバム『12』を発表する。23年3月没。