ギャラリストでもあったディオール
クリスチャン・ディオールは、クチュリエであると同時にギャラリストとしての経験も持ち、生涯にわたって芸術家たちとの交流を大切にした人物だった。その精神を受け継ぐように、ハウス オブ ディオール 心斎橋にはピーター・マリノが選定したアート作品が数多く配置されている。

1階では、クロード・ラランヌによる《ギンコーベンチ/イチョウのベンチ》が来場者を迎える。イチョウの葉をモチーフにしたベンチは、自然の造形をそのまま彫刻へと昇華した作品だ。ラランヌ夫妻とディオールの関係は1950年代まで遡り、ムッシュ ディオール自らがブティック装飾を依頼した歴史を持つ。ここではブランドの歴史とアート史が静かに交差している。

また、フラワーアーティスト東信による《ブロックフラワー》も見逃せない。花々を特殊な手法で封じ込めた作品は、日本の生け花文化を現代的な彫刻表現へと転換する試みであり、花を愛したクリスチャン・ディオールへのオマージュとしても機能している。



















