東京・丸の内の三菱一号館美術館で、「“カフェ”に集う芸術家―印象派からゴッホ、ロートレック、ピカソまで」が開幕した。会期は9月23日まで。
本展は、三菱一号館美術館とひろしま美術館の共同企画によるもの。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、芸術家たちの交流と創造の舞台となった「カフェ」を切り口に、エドゥアール・マネや印象派、フィンセント・ファン・ゴッホ、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック、ナビ派、そして若きパブロ・ピカソまでの作品約130点を紹介する。
「現代生活」を描く──印象派誕生の舞台となったカフェ
今日では飲食や社交の場として親しまれているカフェだが、19世紀後半のパリでは、新しい芸術のあり方を議論し、それを作品へと結実させる創造の場でもあった。三菱一号館美術館の担当学芸員・岩瀬慧は内覧会で、「本展で重要なのは、カフェが描かれた場所だけではなく、芸術家たちがインスピレーションを得て新たな作品を生み出す場として機能していた点だ」と説明する。
展示は3章構成。第1章「カフェを描く――リアリズムから印象派へ」では、近代都市パリの誕生とともに拡張された絵画の主題に注目する。19世紀後半、アカデミズムが歴史画や宗教画を重視するなか、マネやクロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワールらは、詩人ボードレールの提唱した「現代生活」を描こうとした。ルノワール《パリ、トリニテ広場》(1875頃)やエドガー・ドガ《赤い服の踊り子》(1897頃)などを通して、街路や劇場、カフェといった都市の日常が近代絵画の主題となっていく過程をたどる。


同章ではまた、印象派に先行して都市生活を描いたオノレ・ドーミエの版画も紹介される。新聞や雑誌を通じて流通した風刺画は、劇場や観客席といった都市文化の風景を広く可視化し、後の印象派にも影響を与えたという。






























