「(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO ー新説/真説 コシノヒロコー」(東京都現代美術館)開幕レポート。多層的なクリエイションの全貌に迫る【3/4ページ】

チャプター3「コラボレーション─群像」

 チャプター3「コラボレーション─群像」では、新たにコラボレーションを行った、フランス・パリを拠点に活動するアーティストのマティルド・ドゥニーズ(1986〜)との作品を展示している。

チャプター3「コラボレーション─群像」の展示風景 手前はマティルド・ドゥニーズによる立体作品

 ドゥニーズは、廃棄されたオブジェクトや自身の過去の絵画、映画のセットや広告制作の現場から回収した塗料などを用いて構成する「コスチューム・ペインティング」と呼ばれる手法で制作を行う。今回はコシノの過去のコレクションで用いられたアイテムやテキスタイルを取り入れた立体作品を制作し、時間と文化を横断する新たな表現を試みた。

 また壁面には、コシノがこれまでに制作してきた、色彩の解釈をめぐる作品群が展示されている。3色限定で描かれた「3 COLORS」シリーズをはじめ、鮮やかな色彩や大胆な筆致に特徴のある作品群が並ぶ。

チャプター4「テキスタイルへの情熱─創作の核心」

 チャプター4「テキスタイルへの情熱─創作の核心」は、ファッションデザイナーとしてのコシノを紹介するセクションだ。なかでも、そのコレクションにおいて表現を支える重要な要素であるテキスタイルに注目する。織りや染めといった和装の基礎的技法をはじめ、刺繍、プリント、最先端の加工技術などを駆使し、素材そのものをゼロから開発することもあるという。自身の絵画作品をテキスタイルへと展開することも、コシノの重要なアプローチのひとつだ。

チャプター4「テキスタイルへの情熱─創作の核心」の展示風景 鑑賞者はコレクションに触れることができる

 会場では、過去に手がけた数多くのコレクションがハンガーにかけられた状態で展示されており、鑑賞者はそれらに触れることができる。衣服という表現形態を正確に知るために重要な、テキスタイルの質感や重量、パターンや縫製などを、手で触れながら感じることができる、ファッションの展示として画期的な試みだ。

編集部

Exhibition Ranking