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コシノヒロコ、絵画創作の原点。安藤忠雄設計の「KHギャラリー芦屋」を訪ねて

コレクション作品約200点、絵画約130点を含む過去最大規模の個展「(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO ―新説/真説 コシノヒロコ―」を控えるコシノヒロコ。その創作の核にある「絵画」の原点をたどるべく、安藤忠雄設計による元自邸、KHギャラリー芦屋を訪ねた。

文=橋爪勇介(編集部) 写真提供=KHギャラリー芦屋

ギャラリーに立つコシノヒロコ

安藤忠雄と建てた元自邸

 兵庫県芦屋市、閑静な住宅が軒を連ねる山の頂にひっそりと現れるコンクリートの建築。それが1981年に竣工したコシノヒロコの元自邸そのままに、現在はギャラリーとして公開されている「KHギャラリー芦屋」だ。建築設計を担ったのは、コシノとも親交が深い安藤忠雄。安藤のキャリアにおいても比較的初期の作品であり、周囲の環境に溶け込むように設計された空間は、光と影、直線と曲線が緊張関係を保ちながら共存する、安藤建築の本質を体現している。

KHギャラリー外観 撮影=筆者

 コシノはこの家を建てた理由について、「自分のスタイルを確立するために、環境そのものをつくる必要があった」と語る。この建築が生まれる時期は、コシノが海外にも活躍の幅を広げていくタイミングと重なる。そうした状況のなかで、日本の美の源泉である四季を身体的に感じ取ることが不可欠だったという。そのために選んだのが、自然をもっとも身近に感じられる山の上という立地だった。

 2013年からこの場所はKHギャラリーとして運営され、現在は2600点を超える作品のなかから、季節やテーマに応じた展示が行われている。ファッションデザイナーとしての活動と並行しながら積み重ねられてきた絵画作品は、この場所においてひとつの体系として立ち上がる。

左にかかるのは《幸せの青い鳥》(2013、株式会社ボンマックス所蔵)。金色の山々のあいだを自由に飛翔する鳥たちの姿を通して、コシノヒロコの創作の原点である日本文化の伝統と美意識を体現した代表的作品