安藤忠雄と建てた元自邸
兵庫県芦屋市、閑静な住宅が軒を連ねる山の頂にひっそりと現れるコンクリートの建築。それが1981年に竣工したコシノヒロコの元自邸そのままに、現在はギャラリーとして公開されている「KHギャラリー芦屋」だ。建築設計を担ったのは、コシノとも親交が深い安藤忠雄。安藤のキャリアにおいても比較的初期の作品であり、周囲の環境に溶け込むように設計された空間は、光と影、直線と曲線が緊張関係を保ちながら共存する、安藤建築の本質を体現している。

コシノはこの家を建てた理由について、「自分のスタイルを確立するために、環境そのものをつくる必要があった」と語る。この建築が生まれる時期は、コシノが海外にも活躍の幅を広げていくタイミングと重なる。そうした状況のなかで、日本の美の源泉である四季を身体的に感じ取ることが不可欠だったという。そのために選んだのが、自然をもっとも身近に感じられる山の上という立地だった。
2013年からこの場所はKHギャラリーとして運営され、現在は2600点を超える作品のなかから、季節やテーマに応じた展示が行われている。ファッションデザイナーとしての活動と並行しながら積み重ねられてきた絵画作品は、この場所においてひとつの体系として立ち上がる。

































