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「ウジェーヌ・ブーダン展─瞬間の美学、光の探求」(SOMPO美術館)開幕レポート。印象派の先駆者が捉えた豊かな光の表情に注目【2/3ページ】

刻々と変わる空と海の表情を追う

 本展では、油彩・素描・パステル・版画を中心とした初期から晩年までの画業を8つの構成で紹介している。第1章「海景 海景画家の誕生」では、ノルマンディーの港町に生まれ育ったブーダンが生涯にわたって描き続けた海の作品を初期からたどる。

《オンフルール、港、朝の効果》(1896-97頃)の展示風景
左から、《ドーヴィル》(1888)、《ベルク、出航》(1890)

 とくにブーダンが好んで描いたのは、小さな街の港だ。ノルマンディー地方ならではの変わりやすい天候が生み出す光や雲の動きを、船の帆や海面の揺らぎ、そしてそこに生きる人々の営みとともに描き出している。

サロンに出品されたこの《干潮》(1884)は、ブーダンにとって初の国家買上げ作品となった
空の変化の絶妙なニュアンスを捉えた《空の秀作》(1880頃)

 ブーダンの作品にとって重要なテーマとなるのは、前述した「海」そして「空」だ。第2章「空 瞬間の美学、光の探求」では、様々な天候や時間帯の空を油彩やパステルで捉えた作品が並ぶ。変化の激しい自然の光や雲の動きの「一瞬」を鋭く捉えた描写から、その卓越した観察眼がうかがえる。

《トルーヴィル街道、ル・ビュタン近郊》(1860-63)。自然をありのまま写実的に描くバルビゾン派の影響が見て取れる
第3章「風景 バルビゾン派からの学び」の展示の様子

 第3章「風景 バルビゾン派からの学び」では、当時ノルマンディーで活躍をしていた風景画の先達から影響を受けたブーダンによる、自然観察に基づいた風景画に着目。様々な国や街を歩き、風景画と向き合い続けたブーダンは、晩年には「それにしても、風景画はなんと難しいのだろう」という言葉を残している。光を受けたモチーフの影の落ち方に注目しつつ、風景画の奥深さに改めて思いを馳せることができるだろう。

編集部

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