刻々と変わる空と海の表情を追う
本展では、油彩・素描・パステル・版画を中心とした初期から晩年までの画業を8つの構成で紹介している。第1章「海景 海景画家の誕生」では、ノルマンディーの港町に生まれ育ったブーダンが生涯にわたって描き続けた海の作品を初期からたどる。


とくにブーダンが好んで描いたのは、小さな街の港だ。ノルマンディー地方ならではの変わりやすい天候が生み出す光や雲の動きを、船の帆や海面の揺らぎ、そしてそこに生きる人々の営みとともに描き出している。


ブーダンの作品にとって重要なテーマとなるのは、前述した「海」そして「空」だ。第2章「空 瞬間の美学、光の探求」では、様々な天候や時間帯の空を油彩やパステルで捉えた作品が並ぶ。変化の激しい自然の光や雲の動きの「一瞬」を鋭く捉えた描写から、その卓越した観察眼がうかがえる。


第3章「風景 バルビゾン派からの学び」では、当時ノルマンディーで活躍をしていた風景画の先達から影響を受けたブーダンによる、自然観察に基づいた風景画に着目。様々な国や街を歩き、風景画と向き合い続けたブーダンは、晩年には「それにしても、風景画はなんと難しいのだろう」という言葉を残している。光を受けたモチーフの影の落ち方に注目しつつ、風景画の奥深さに改めて思いを馳せることができるだろう。



















