「ウジェーヌ・ブーダン展─瞬間の美学、光の探求」(SOMPO美術館)開幕レポート。印象派の先駆者が捉えた豊かな光の表情に注目
ウジェーヌ・ブーダン《ベルク、出航》(1890)。力強い波と立ち込める雲の描写からは、その場の空気感までもが伝わってくるようだ 第1章「海景 海景画家の誕生」の展示風景。手前は《嵐(ヤーコプ・ファン・ロイスダールに基づく)》(1853) 《トルーヴィルの港、月の効果》(1870-73)。月の光がもたらす静謐な空気感を、巧みな筆致と絶妙な色彩によって見事に描き出している 《オンフルール、港、朝の効果》(1896-97頃)の展示風景 左から、《ドーヴィル》(1888)、《ベルク、出航》(1890) サロンに出品されたこの《干潮》(1884)は、ブーダンにとって初の国家買上げ作品となった 空の変化の絶妙なニュアンスを捉えた《空の秀作》(1880頃) 《トルーヴィル街道、ル・ビュタン近郊》(1860-63)。自然をありのまま写実的に描くバルビゾン派の影響が見て取れる 第3章「風景 バルビゾン派からの学び」の展示の様子 オランダの都市を描いた《ドルトレヒト》(1884) 《ヴェネツィア、サン・ジョルジョ・マッジョーレ》(1895頃)。ブーダンはその晩年、憧れの地でもあった水の都・ヴェネツィアを何度も訪問し、その風景を精力的に描いた 《海辺の牛》(1880-85)。トロワイヨンの作品を、あえて習作のような粗い筆致で描き直した本作は、そのあまりに自由な表現が当時の愛好家たちを困惑させたという 《トルーヴィルの魚市場》(1865-72)。抽象的な画面がタイトルと呼応することで、イメージを想起させる 《洗濯する女性たち》(1881-89)。自然と人間が混じり合い、風景の一部として描かれている点に、その場の空気感をそのままを捉えようとしたブーダンの真髄が感じられる ブーダンによる素描の数々。左から《川辺の家》(1855-58頃)、《樹々の習作》(1855-58頃) 4 / 15
編集部