日本初、ルオーのアトリエを再現
会場の奥には、本展の目玉となっている空間がつくられている。ここは、パリのルオー財団の特別な協力のもと、ルオーが晩年アトリエで実際に使用していた画材道具や机などを用いて、アトリエの一部再現を試みている。

パリ12区リヨン駅前のエミール・ジルベール通り2番地に構えた最後のアトリエは、現在ジョルジュ・ルオー財団の拠点となっている。財団に展示されている道具類は一般公開されておらず、鑑賞できるだけでも貴重な機会となっている。作品と併せて、ルオーが制作していた当時の空気感や情景を想像することができる。

最後の第5章「ルオーの『アトリエ作品』」では、ルオーの娘かつ作品の管理者でもあったイザベル・ルオーによって、アトリエ印「ATELIER DEGEORGES ROUAULT」が押された「アトリエ作品」と呼ばれる絵画群が紹介されている。真作であることの証明として、アトリエに残された未完成作品の裏側にこのアトリエ印が押された。本章は同館が所蔵する一辺20センチにも満たない小さい風景画のコレクションを通じて、ルオーの作品世界を紹介する空間となっている。
ルオーの最初期から晩年までの画業を追うことができる本展では、門外不出と言われたルオーの画材らを用いたアトリエの再現展示も見られる貴重な機会となっている。改めてルオーという画家の足取りを辿ることができる展覧会だ。



















