画商、アンブロワーズ・ヴォラールとの出会い
第3章「1920〜30年代ーアンブロワーズ・ヴォラール邸での制作」では、ルオーの画業を語るうえで重要な存在である画商、アンブロワーズ・ヴォラールのアパルトマンにアトリエを構えていた時期の作品を紹介。ヴォラールは、1890〜1930年代のパリで活躍した、当時もっとも革新的な画商のひとりであった。ポール・セザンヌやパブロ・ピカソを世に送り出した人物でもある。
会場には、ヴォラールに認められ、彼のアパルトマンにアトリエを構えた時期の作品が並ぶ。裁判官、道化師、キリストといった、ルオー作品の中でも重要なモチーフが描かれたこれらの作品群には、厚塗りや黒く太い線を用いられており、ルオー作品の個性が色濃くなってきていることがわかる。


第4章「1940〜50年代ー最後のアトリエ」は、1948年にルオーが構えた最後のアトリエで制作された作品で構成。なかでも注目したいのは、同館の新収蔵品である《モデル、アトリエの思い出》だ。本作は制作年の欄に1895年と1950年と記載されている。これは、1895年、つまりモローのもとで学んでいた時期に書かれた下絵に、晩年上から再度描き直されたことを意味している。
主題や人体表現は最初期の作風が見て取れるが、太い黒の輪郭線や鮮烈な色彩は後年の作品の特徴であり、異なる時代のルオーの表現が同居している。本章では、同じく近年同館に収蔵された《老兵(アンリ・リュップ)》(1946)も展示されている。本作も過去制作されたものを描き直した作品だ。



















