ジョルジュ・ルオーは1871年パリに生まれ、ステンドグラス職人修業を経て画家に転向。進学したエコール・デ・ボザールでアンリ・マティスと出会い、ともにギュスターヴ・モローに師事。黒く太い輪郭線や厚塗りが特徴的な油彩画や、版画作品などを多く残した。
ルオーが描いたのは、疲れ果てた道化師の姿、暖かな光を放つ秋の夕暮、そして、苦しみの果てにうつむくキリストだ。人間が抱える苦しみや悲しみに向き合い、その果てに見出される生命の輝きを表現しているとして高く評価されてきた。
そんなルオーのコレクションで知られる、東京・汐留のパナソニック 汐留ミュージアムの所蔵品から、油彩、水彩、パステル、版画の優品を栃木県で見られる展覧会「パナソニック 汐留ミュージアム コレクション ジョルジュ・ルオー展」が、宇都宮美術館にて開催される。師であるギュスターヴ・モローの強い影響を示す修行時代の作品から、色彩による生命の讃歌とも言うべき晩年の秀作に至るまで、60年以上に及ぶその画業に迫る展覧会だ。