ARTISTS
ジョセフ・コスース
Joseph Kosuth
ジョセフ・コスースは1945年アメリカ・オハイオ州トレド生まれ。コンセプチュアル・アートを代表するアーティスト。ニューヨークのスクール・オブ・ヴィジュアル・アーツ、ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチなどで学び、活動当初は『アーツ・マガジン』や『アート&ランゲージ』などの雑誌の編集にも携わる。69年に論文「哲学以後の芸術」を発表。芸術はかたちによらず概念にこそ存在するという解釈によって、コンセプチュアル・アートを提唱する。初期の作品《1つと3つの椅子》(1965)はその代表的な作例。ひとつの作品が、木製の椅子、実物大の椅子の写真、辞書にある「椅子」の定義のテキストという文字言語と視覚的要素で構成され、3つのあいだにある見えない関係性への思索を鑑賞者に促す。60年代の「自己定義」シリーズのうち、ネオン管の文字が文字通り青や緑などの5色に灯る《FIVE WORDS IN FIVE COLORS》(1965)では、同語反復や自己言及を伴う作品のなかで、芸術そのものの意味を見出すことを試みている。
93年の第45回ヴェネチア・ビエンナーレでは、ウィリアム・シェイクスピアら古典作家の言葉を引用したインスタレーションを展開。日本では、99年に「ジョゼフ・コスース コンセプチュアル・アートの軌跡 1965-1999」展が千葉市美術館、徳島県立近代美術館で開催された。パブリック作品として、《呪文、ノエマのために(テキスト:石牟礼道子「椿の海の記」、ジェームズ・ジョイス「若い芸術家の肖像」)》(1994)がファーレ立川の壁に刻まれているほか、詩人フリードリヒ・フォン・シラーの書簡を抜粋した《The Boundaries of the Limitless》(1997)がみなとみらい駅直結のクイーンズスクエア横浜に展示されている。
93年の第45回ヴェネチア・ビエンナーレでは、ウィリアム・シェイクスピアら古典作家の言葉を引用したインスタレーションを展開。日本では、99年に「ジョゼフ・コスース コンセプチュアル・アートの軌跡 1965-1999」展が千葉市美術館、徳島県立近代美術館で開催された。パブリック作品として、《呪文、ノエマのために(テキスト:石牟礼道子「椿の海の記」、ジェームズ・ジョイス「若い芸術家の肖像」)》(1994)がファーレ立川の壁に刻まれているほか、詩人フリードリヒ・フォン・シラーの書簡を抜粋した《The Boundaries of the Limitless》(1997)がみなとみらい駅直結のクイーンズスクエア横浜に展示されている。