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坂倉準三建築の名作がホテルとして再生。公共図書館と一体となった新しいかたちの宿泊施設【7/9ページ】

三重にゆかりのあるアーティストの作品も

 また今回客室すべてに、アート作品が展示されている。アートキュレーションと部屋のスタイリングを担当したのはNOTA&design。たんなる「箱」としてのホテルではなく、訪れる人の営みや気配が重なり、時とともに育まれていく“生き物のような場所”を目指したという。

 設置作品は、安永正臣、壺田太郎、藤本玲奈の3名によるもの。三重県に関わりの深い若手アーティストであり、「過去からのバトンを、これからの未来につなぐようなシーンを生み出す場所にしたい」という思いから彼らの作品が選ばれた。

 安永の作品は、レセプションに設置されている。釉薬から成形を行う、従来とはまったく違う陶芸の手法を確立した安永が、数年前から取り組み始めたモザイク壁画シリーズのひとつだ。人工物が自然物に還っていく過程に魅了され作品制作を行う安永。入り口にこの作品が設置されている意味を想像しながら、本ホテルの滞在のはじまりを楽しみたい。

安永正臣の作品