バンクシーの《Game Changer》が約25億円で落札。収益は国民保健サービスへ寄付

バンクシーが昨年5月に発表した作品《Game Changer》が3月23日にクリスティーズで競売にかけられ、予想落札価格を大幅に上回る約25億円(1675万8000ポンド)で落札された。この収益はイギリスのNHS(国民保健サービス)に寄付される。

バンクシー Game Changer 2020 出典=バンクシー公式サイトより

 バンクシーの作品がオークションを沸かせた。昨年5月に公開された、医療従事者を称賛する作品《Game Changer》だ。

 3月23日に開催されたクリスティーズの20世紀美術イブニングセールに出品された同作は、激しいビッドの末、1675万8000ポンド(約25億円)で落札。これは当初の予想落札価格である250万~350万ポンド(約3億7924万〜約5億3094万円)を大幅に上回る結果であり、バンクシーのオークションレコードを更新するものとなった。

 同作は看護師の人形を手にした子供を描いたもので、新型コロナウイルスと闘うサウサンプトン病院に登場。発表当初からオークションにかけられることが予定されていた。この売却益は、イギリスのNHS(国民保健サービス)やチャリティなどに寄付される。

 クリスティーズのキャサリン・アーノルドは、この結果を受け、「バンクシーは国民の感情のバロメーターとしてつねに注目されている非凡なアーティスト。小さな男の子がスーパーヒーローの人形で遊んでいる姿や、国際的な赤十字を身につけた看護師の姿など、いまこの瞬間のエッセンスを完璧にとらえている。私たちが家族や愛する人たちに目を向けるようになったいま、COVID-19の最前線で戦い続けている人々に感謝の意を表したい」とコメント。

 またサウサンプトン病院のデヴィッド・フィンチは、「《Game Changer》のオークションで得られた収益は私たちの幅広いパートナーの活動に役立てられ、患者さんのために、より統合されたより良いケアシステムを提供するために役立てられることを嬉しく思う」と感謝の意を述べている。

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