これからのアートの世界を読み解くためのガイド。『美術手帖』2026年7月号は、「21世紀の現代アート事典」特集

『美術手帖』2026年7月号「21世紀の現代アート事典」特集が6月5日に発売される。本特集は、激変を続ける現代アートの現在地を、日本という視座から読み解く試み。複雑な世界への入り口として、7つの「問い」を軸に各章を構成し、21世紀の現代アートのリアルな生態系に迫る。またアーティスト・インタビューでは、音楽的・政治的な調和や周縁化された文化的系譜の再解釈に挑戦し、新たな物語を提示するアーティスト・作曲家のアンドリウス・ アルチュニアンを取り上げる。

これからのアートの世界を読み解くためのガイド

 近年、現代アートの世界は複雑化を極めている。その背景にあるのは、第2次トランプ政権の始動やロシアによるウクライナ侵攻、緊迫化するパレスチナ・ガザ地区の状況、アジアでの覇権を狙う中国の動向といった激動する世界情勢だ。さらに、新型コロナウイルスのパンデミックや生成AIの急速な台頭など、これまでの社会の前提そのものが大きく揺らぐなか、それに呼応するように、現代アートもまたその姿を変えようとしている。

 本特集は、激変を続ける現代アートの現在地を、日本という視座から読み解く試みだ。ただし、概念や現場ごとにジャンル分けする手法はとらず、この複雑な世界への入り口として、今回は7つの「問い」を軸に各章を構成。例えば、PART.1の「アートの中心はどこにある?」は、読み進めるうちに「生・身体と表現の関係とは?」「『制作』はどう変化している?」といった別の問いへと接続されていく。各パートはそれぞれ独立した問いを立てながらも、グラデーションのようにつながり、重なり合っている。そのネットワークのなかから、21世紀の現代アートのリアルな生態系が立ち現れてくるはずだ。

パートの構成は以下の通り。

PART. 1 アートの中心はどこにある?
PART. 2 生・身体と表現の関係とは?
PART. 3 社会にとってアートは必要か?
PART. 4 「制作」はどう変化している?
PART. 5 オルタナティブはどこにある?
PART. 6 アートとマーケットの関係はいま?
PART. 7 アートのインフラは持続可能か?

 アーティスト・インタビューは、音楽的・政治的な調和や周縁化された文化的系譜の再解釈に挑戦し、新たな物語を提示するアーティスト・作曲家のアンドリウス・ アルチュニアン。東京での個展「Obol」に際して、制作における思想や物質との対話について、本展のゲスト・ キュレーター、岩田智哉が話を聞いた。

 そして、7年ぶりの開催となる「第17回芸術評論募集」入選作の発表、審査員による選評座談会、一席の全文を掲載している。

編集部