京都・四条河原町に位置するアートホテル「BnA Alter Museum」が開業7年目の節目を迎え、新規アートルームの制作および既存客室の大型改装を実施した。
同ホテルは、全31室がアーティストが手がける「アートルーム」で構成されており、たんなる作品展示にとどまらず、宿泊という時間のなかで作品世界に没入する体験設計を特徴としてきた。近年、国内外でアートホテルへの関心が高まるなか、同館は滞在できるアートの先駆的存在としてアップデートを図る。
藤倉麻子「サンライト計画、緑の段差」
今回新たに加わったのは、藤倉麻子による「サンライト計画、緑の段差」(304・404・504・604号室)だ。3DCGアニメーションを主軸に、都市インフラや風景の奥行きに注目して作品を制作してきた藤倉が、自然光と段差構造を用いて構想した空間だ。

窓から差し込む光、外壁を思わせる質感の塗装、そして淡い緑を基調とした色彩設計。窓から差し込む光の中で、ベッドに腰掛けたり寝転んだりする行為が、公園の縁石や広場の段差に身を預ける感覚へと接続され、ホテルの客室でありながら「外にいるような居心地」となって開放的で落ち着く時間を生み出している。
ベッドやベンチ、ミラーは鑑賞対象であると同時に実用性のある要素として配置され、「機能をもつ彫刻」という藤倉の関心が宿泊空間に実装されている。室内にいながら、公園の縁石や広場の段差に身を預けるような感覚を呼び起こす本作は、屋内外の境界を揺るがす試みといえる。




























