民藝に満ちるアートホテルが富山の名刹内に誕生。「善徳寺 杜人舎」が12月にプレオープン

北陸の浄土真宗信仰の中心寺院であり、550年の歴史を持つ名刹・城端別院善徳寺の敷地内に、宿泊を中心とした新たな複合施設「善徳寺 杜人舎(ぜんとくじ もりとしゃ)」が12月1日にプレオープンする。

杜人舎外観

 2022年10月に富山県砺波市に開業したアートホテル「楽土庵」に続き、株式会社水と匠が手がけた宿泊を中心とした複合施設「善徳寺 杜人舎(ぜんとくじ もりとしゃ)」が、12月に富山県南砺市にある城端別院善徳寺の敷地内にプレオープンする。

 北陸の浄土真宗信仰の中心寺院であり、550年の歴史を持つ名刹・城端別院善徳寺。同寺は、民藝運動の創始者・柳宗悦が晩年に62日間滞在し、民藝思想の集大成となる論文『美の法門』を執筆した場所でもある。

城端別院善徳寺

 「杜人舎」は、その柳の愛弟子であり富山の木工家・建築家の安川慶一が設計した善徳寺内の研修道場を改修し、ホテル、講堂、カフェとショップ、テレワークスペースを配置する。改修設計は、富山出身の建築家でteamLab Architectsパートナーの浜田晶則(あきのり)率いる浜田晶則建築設計事務所が手がけた。

杜人舎チェックインスペース Photo by Yuki Tanaka

 研修・宿泊のほかにも様々な活動ができるよう設計され、松本民藝館の元にもなった2階建ての建物である研修道場。1階には地域の人が気軽に利用できるカフェとショップ、仏教や民藝に関する講座などを開催する講堂などを設置し、2階は長期滞在も可能な全6室のホテルになる。館内・客室には、棟方志功や浜田庄司、河井寛次郎といった民藝作家や全世界の民藝品が展示され、民藝美に満ちた空間のなかで学び、交流し、滞在することができる。

講堂&ラウンジ
客室イメージ

 富山県西部・砺波地方には、柳が名づけたとされる、「土徳(どとく)」という言葉が伝わってきた。土徳とは、厳しくも豊かな環境のなかで、人々が自然と一緒につくりあげてきた土地の精神風土のことを指す。

 杜人舎では宿泊だけでなく、土徳に触れるアクティビティ、飲食、地域の人々との交流など様々なプログラムやツアーも提供し、地域のなかで体験的な学びを深める機会となるだろう。

 プレオープンは12月1日を予定し、企業や大学の研修・合宿など団体受入を開始。一般宿泊は来春よりスタートする。

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編集部

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