京都市中京区に映像作品を紹介する拠点「BlackBoxKyoto」が新設される。こけら落としととして、映像作家/振付家の吉開菜央の初期作から最新作までの作品群を上映する「BlackBoxKyoto オープニングプログラム《吉開菜央アーカイヴス:ほったまるびより》」が開催される。会期は2026年5月22日〜7月18日。
映像作品を「文化資産」として捉え直す空間
映像作品を「文化資産」として捉え直す空間設計
同施設を立ち上げる株式会社nenexは、Web3やAIなどの技術を活用してデジタルアートや非物質的な作品の流通・収益分配の仕組みを設計するスタートアップ企業。同社は2021年頃から開発を進めてきた国際コンテンツ流通支援システムの思想と実践を、実際の空間体験として提示する場として本拠点を構想した。映像作品を一過性の上映イベントとして消費するのではなく、反復的に鑑賞され、保存・継承されうる文化資産として捉え直す試みの一環として運営される。
「BlackBox」という名称は、従来の白い展示空間(ホワイトキューブ)とは異なる鑑賞環境を志向して名付けられた。視線の逃げ場が少ない暗い箱のなかで、映像作品と身体が直接向き合う環境がつくられている。スクリーンの前に10〜12席程度の座席を配置。さらに一般的な映画館のような整然とした配置を避けることで、作品との距離や身体感覚を意識させる鑑賞環境が設計されている。

映像作家・振付家、吉開菜央の軌跡をたどる
同施設のオープニングに選ばれた吉開菜央は1987年山口県生まれ。日本女子体育大学舞踊学専攻、東京藝術大学大学院メディア映像専攻を修了し、「世界を五感で理解しようとするときに心と身体に起こる変化」を「踊り」として捉えた領域横断的な表現活動を行ってきた。文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門新人賞を受賞した『ほったまるびより』(2015)のほか、カンヌ国際映画祭監督週間に正式招待された『Grand Bouquet』(2019)、ベルリン国際映画祭フォーラム部門に出品された『まさゆめ』(2026)などの監督作がある。
本企画では、身体、時間、空間の関係性を扱い、映像メディアの物質性と詩性を可視化してきた吉開の作品群を一挙に上映することで、作家のこれまでの軌跡と表現の変遷を提示する。






















