吉開菜央(よしがいなお)は1987年生まれのダンサー・映像作家。身体的な感覚・現象を素材に「見て、聞く」時間を映像に切り取り、作品を制作してきた。2015年には監督した作品《ほったまるびより》が第19回文化庁メディア芸術祭新人賞を受賞するなど、注目を集めている。
本展では「呼吸」をテーマに、上述の受賞作《ほったまるびより》や新作《静坐社》など全4作品(上映時間:約1時間)をオムニバス形式で上映する。《静坐社》は、大正時代に流行した健康法「岡田式静坐法」を広めていたという由緒ある家「静坐社」が取り壊されていく様子を撮影・記録したもの。その取材の中で、吉開は本展のテーマである「呼吸」に行き着いたという。
さらに吉開は、本展でインスタレーションにも挑戦。展示空間を「呼吸する部屋」として構成し、まるで母体の中で映像を見ているような、映像作品と鑑賞者自身が一体化するような空間をつくりだす。