アーティストを継続的に支援し、発表の場を作ってきたトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)が、2018年度から新しいシリーズ「ACT」(Artists Contemporary TOKAS)を開始する。
「ACT」ではTOKASのプログラムに参加経験のあるアーティストを中心に、企画展形式で紹介。初回となる本展「霞はじめてたなびく」には、佐藤雅晴、西村有、吉開菜央の3名が参加する。
実際の風景を映像に撮り、1コマずつパソコン上でトレースしてアニメーションを制作する佐藤雅晴は、福島の日常を描いた新作の映像インスタレーション《福島尾行》を発表。映像の一部をアニメーション化することで日常と非日常の境界は曖昧になり、見る人を映像の旅へと誘う。
西村有は、実際にある風景の再現ではなく、自身の日常的な気づきを重ねて「いま」を描こうとしてきた。本展では、会期にあわせて初春にまつわる新作絵画を制作。展示されることで隣り合うそれぞれの作品のあいだに、新たな物語が生まれる空間を目指す。
吉開菜央は身体的に得られた感覚を映像と音で表し、新たな映像表現を追求するいっぽう、自身の経験を活かして振り付けやミュージックビデオの制作も行う。本展では、見る人の身体と一体化するような映像インスタレーションを発表予定だ。
ささやかな日常の変化を身体で感じ取る作家たちがどのような風景を浮かび上がらせるのか、その新作に期待が高まる。