今週末に見たい展覧会ベスト12。「アンドリュー・ワイエス展」から「ロン・ミュエク」展まで【3/6ページ】

今週開幕

「都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展」(東京都美術館

アンドリュー・ワイエス《オルソンの家》(1966)水彩、紙

 東京・上野の東京都美術館で、アンドリュー・ワイエス(1917〜2009)の没後日本初となる回顧展「東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展」が開催されている。会期は7月5日まで。レポートはこちら。なお、本展は豊田市美術館(7月18日〜9月23日)、あべのハルカス美術館(10月3日〜12月6日)に巡回する。

 ワイエスは、20世紀アメリカ具象絵画を代表する画家だ。第二次世界大戦後に脚光を浴びたアメリカ抽象表現主義、ネオ・ダダ、ポップアートといった動向から距離を置き、ひたすら自分の身近な人々と風景を描き続けた。その作品は眼前にある情景のたんなる再現描写にとどまるものではなく、作家自身の精神世界が反映されたものとなっている。

 同展は、その「境界」の表現に着目して、ワイエスが描いた世界を見つめることを試みるもの。ホイットニー美術館(ニューヨーク)の《冬の野》(1942)、フィラデルフィア美術館の《冷却小屋》(1953)、フィルブルック美術館(オクラホマ)の《乗船の一行》(1984)をはじめ、10点以上が日本初公開。あらためてワイエスの魅力に触れる機会となるだろう。

会期:2026年4月28日~7月5日
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
開館時間:9:30〜17:30(金〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 2300円 / 大学生 1300円 / 65歳以上 1600円 / 高校生以下無料

「焼絵 茶色の珍事」(中之島香雪美術館)

如秀《亀図》(18~19世紀)彌記繪菴

 中之島香雪美術館で「焼絵 茶色の珍事」が開催されている。会期は5月31日まで。

 「焼絵」とは、火筆画や焦画、烙画などとも呼ばれる、熱した火箸や鏝を紙や絹などに押しあて、絵画や文字を焦がして表現する技法を用いた作品のこと。色調は茶から黒に近い色まで展開し、線描から点描、濃淡といった水墨画の技法も再現されている。

 江戸時代には、優れた焼絵を手がけた稲垣如蘭こと近江山上藩の第五代藩主稲垣定淳をはじめ、藩主や家老クラスのあいだでこの技法が流行した。いっぽう、葛飾北斎の弟子とされる北鼎如連のような浮世絵師にも焼絵の名手が現れ、狩野派の特徴を有する作例も確認されている。また、大田南畝と来舶した中国人とのあいだで焼絵談議が行われ、朝鮮通信使を介し烙画が紹介されるなど、焼絵を通した国際交流も行われた。本展では、日本をはじめ朝鮮と中国、現代の焼絵作品を展観し、その美と制作背景を紹介している。

会期:2026年4月28日~5月31日
会場:中之島香雪美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト 4階
開館時間:10:00~17:00(5月1日、15日、29日は~19:30)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、5月7日(ただし、5月4日は開館)
料金:一般 1600円 / 高大生 800円 / 小中生 400円