国立ハンセン病資料館で「絵と編物でみる 加藤博子の作品世界」が開催へ。隔離下で表現を続けた作家の足跡と社会構造を問う

東京都東村山市の国立ハンセン病資料館で、ギャラリー展「絵と編物でみる 加藤博子の作品世界」が開催される。会期は5月2日〜6月7日。

加藤博子「黄ロングニット」(1980年11月)毛糸、布 国立ハンセン病資料館

 東京都東村山市の国立ハンセン病資料館で、ギャラリー展「絵と編物でみる 加藤博子の作品世界」が開催される。会期は5月2日〜6月7日。

加藤博子「自画像」(1972年9月)石膏ボード、油彩 国立ハンセン病資料館

 加藤博子は1943年生まれ。12歳で静岡県御殿場市の駿河療養所に入所した。その後、岡山県にある長島愛生園の邑久高等学校新良田教室に進学し、好きだった絵画制作に熱中。美術展などへの入選を重ねた。駿河療養所内での結婚を経て、夫との社会復帰と同施設への再入所を経験する。社会復帰にあたっては絵画制作を中断し、編物の技術を習得。経済的な自立と新しい生き方を模索した。2025年12月2日に逝去。

加藤博子「労働者の夜」(1970年より以前)キャンバス、油彩 国立ハンセン病資料館
加藤博子「道」(1990年10月)キャンバス、油彩 国立ハンセン病資料館

 本展は、ハンセン病回復者であり、ひとりの女性画家でもある加藤の活動に焦点を当てた同館初の試みとなる。隔離下の苦難に直面しながらも、生涯を通して表現活動を続けた加藤の絵と編物を中心に18点の作品を展示。社会復帰における経済的な自立のためにハンセン病回復者が習得した技術の成果を紹介するとともに、「ものづくり」に見られるジェンダーのありようについても考える機会を創出するという。

加藤博子「青いスカート」(1980年代)毛糸 国立ハンセン病資料館
加藤博子「靴下」(1980年代)毛糸 国立ハンセン病資料館

編集部