東京・恵比寿の東京都写真美術館で、映像作家・出光真子(1940〜)の回顧展「出光真子 おんなのさくひん──ある映像作家の自伝」が開催される。会期は6月18日〜9月21日。
出光は、日本における実験映画およびビデオアートの先駆的な作家。1940年に東京生まれ、60年代に滞在したアメリカ・サンタモニカで映像制作を開始。抽象画家のサム・フランシスとの結婚、2児の母としての生活のなかで、「娘、妻、母」という社会的役割とアーティストとしての自己の葛藤を鋭い観察眼で表現してきた。とりわけ1970年代以降のビデオ作品では、モニター内に別のモニターを映し込む独自の「マコ・スタイル」を確立。テレビ・メロドラマの語法を取り入れながら、女性の生き方や家族、メディアと社会の関係を問い続けてきた。


本展は、同館が2016年から2017年度にかけて収蔵したフィルム、ビデオ、インスタレーションを含む作品群を、展示と上映によって網羅的に公開する収蔵後初の機会となる。会場では、出光の評価を決定づけた初のビデオ作品《おんなのさくひん》(1973)をはじめ、モニターの入れ子構造を用いる「マコ・スタイル」が採用された《主婦の一日》(1977)など、メディアの特性を活かした多彩な映像作品を展示。また、同館収蔵の3点に作家蔵の2点を合わせた合計5点のインスタレーションも公開され、作家の30年以上にわたる表現の変遷をたどることができる。


さらに、1階ホールでは全40作品を9つのプログラムに分けて上映。《Woman's House》(1972)や《At Yukigaya 2》(1974)といった初期の16mmフィルム作品がニュープリントで上映されるほか、作家本人や出光の制作を支えたカナダ出身のビデオアーティスト、マイケル・ゴールドバーグのインタビューを収録した展覧会図録の刊行も予定されている。
なお、会期中にはゲストを招いたトークイベントが開催される。6月20日には写真評論家/長野県立美術館館長の笠原美智子と美術史/美術批評の小勝禮子、7月11日には映画研究者の斉藤綾子と菅野優香、9月19日には小説家の柚木麻子と編集者/文筆家の伊藤春奈による対談が予定されている。また、担当学芸員によるギャラリートークも実施される。

























