現代ヴェネチアン・グラスを手がける三嶋りつ惠の個展「光の場 HALL OF LIGHT」が、東京・六本木のシュウゴアーツで開催される。会期は12月7日〜2020年1月25日。
三嶋は1962年京都府生まれ。89年よりイタリアのヴェネチアに移住し、96年よりムラーノ島のガラス工房に通い始めた。これを契機に、職人との協働によって現代ヴェネチアン・グラスの制作をスタート。
透明度の高いヴェネチアン・グラスの特性を生かしたその作品は、光や水、空間との関係性を重視したフォルムが特徴だ。彩色されたヴェネチアン・グラスが主流であるなか、風景に溶け込み、光を通して輪郭だけを浮かび上がらせるような三嶋の作品は、ヨーロッパを中心に高く評価され、2001年にはロンドンのサザビーズよりジョルジオ・アルマーニ賞が贈られた。
11年より生活の拠点を京都に移し、日本とヴェネチアを往来するようになった三嶋。これまで「IN GRIMANI」(国立パラッツォ・グリマーニ美術館、ヴェネチア、2013)、「あるべきようわ」(資生堂ギャラリー、東京、2011)、「Frozen Garden / Fruits of Fire」(ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館、ロッテルダム、2010)と個展を開催してきたほか、ヨコハマトリエンナーレ2014(横浜美術館、2014)や、第53回ヴェネチア・ビエンナーレ(2009)といった国際展にも参加するなど、精力的に活動を行っている。
三嶋は、光をテーマとした作品の制作を通じて、⽬には⾒えない存在へ想いを馳せてきた。本展では、宙から降り注ぐ光の姿や、光を通じて⼈と⼈が出会い、繋がりあう場をつくり上げるという。
近年美術のみならず、建築やファッション、デザインと、ジャンルを問わない横断的な活躍が続けてきた三嶋。本展で見せる次なる展開に注目が集まる。