世界遺産・清水寺にて8日間限定で行われる展覧会「CONTACT つなぐ・むすぶ 日本と世界のアート」。ICOM(アイコム/国際博物館会議)の京都大会を記念して開催される本展の詳細が、9日の記者会見で発表された。
まず発表されたのは、全出品作家。日本と世界のアートがどのように融和してきたかを展観する本展で展示されるのは、司馬江漢、アンリ・マティス、オーブリー・ビアズリー、アルベルト・ジャコメッティ、猪熊弦一郎、棟方志功、東山魁夷、ヨーゼフ・ボイス、ゲルハルト・リヒター、三島喜美代、森村泰昌、三嶋りつ惠、ミヒャエル・ボレマンス、加藤泉、荒木悠、宮沢賢治、川端康成、小津安二郎、黒澤明、手塚治虫、竹宮恵子、バーナード・リーチ、河井寛次郎、濱田庄司、ルーシー・リー、シャルロット・ペリアンによる作品。現代美術から映画、文学、マンガまで、多彩なジャンルが特徴的だ。
本展のディレクターを務める小説家・原田マハは次のように話す。「会場にはキャプションも解説も一切ありません。見るだけなく体感してほしい。展覧会が持つ可能性を探る、見逃してほしくない機会です」。
原田は、第二次世界大戦後に発足したICOMの「戦争で分断された世界をミュージアムで再びつなぐ」という設立趣旨に共感し、昨年よりICOM会員になったという。ICOM 京都大会 2019 組織委員長の佐々木丞平は、この設立趣旨に触れ、「現代にも世界の分断がある。今回の展覧会が世界をつなぐひとつのハブとなるよう、成功することを祈っています」と話した。
本展のユニークな特徴に、早朝よりオープンしているという点がある。これは、「世界から集まるICOMメンバーが、夕方まで続く会議の前にも展覧会を見られるように」という原田の思いを反映したものだが、通勤前や、残暑厳しい時期に涼しい時間帯から作品鑑賞をできるというメリットもある。
また、本展と関連した短編小説集『20 CONTACTS 消えない 星々との短い接触』(幻冬舎)も8月10日より発売される。「小説を読了したあとに展覧会会場を訪れると、より立体的に展覧会を体感することができると思う」と原田は話す。
通常非公開の会場で作品展示が行われる点でも貴重な機会となる本展をお見逃しなく。