名分とポリフォニー──多言語政治における主体の生成。謝以恭評「恵比寿映像祭2026:あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight」

東京都写真美術館で開催された「恵比寿映像祭2026」は、「あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight」という多言語のタイトルが示す通り、声、言語、そして主体の生成をめぐる問いを提示する。本稿では、美術批評家、アート・アーキビストの謝以恭(シャ・イキョウ)が翻訳や移動の経験、さらには「名分」と多声性(ヘテログロシア)の観点から、本展が浮かび上がらせる多文化社会の複雑な風景を読み解く。

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第14回

「手のひらの民具」。これなーんだ?

一般の人々が日常の暮らしのなかで生み出し、使い続けてきた「民具」。一見ただの古い道具に見えるかもしれませんが、様々な切り口から観察してみることで、ユニークな造形や意外な機能性といった「デザインの工夫」に気がつくことができます。第14回目は「手のひらの民具」。これなーんだ?

VOCA賞受賞・戸田沙也加インタビュー:「語られざる者の残響」は、現在そして未来の鑑賞者に何を語りかけるのか?

「VOCA展2026」で大賞であるVOCA賞を受賞した戸田沙也加。受賞作《語られざる者の残響》は、解体直前のアトリエに残された膨大な裸婦像との出会いから、9年の歳月をかけて編み出された。戸田は、男性の眼差しでつくられた彫刻たちをどのような視点から再解釈し、作品として編み直したのか。変容する社会やジェンダー、そして出産を控えた自身の表現者としての未来について話を聞いた。

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第36回

[ARTIST IN FOCUS]オトボン・ンカンガ:自然環境と人間の「つながり」を語り直し、共感的な関係性を模索する芸術実践

自然と人間のあいだにある歴史と記憶に着目し、多様なメディウムを用いて、その社会的・政治的・物質的関係を検証し、新たに語り直す作品を発表するオトボン・ンカンガ。金沢21世紀美術館での個展に際し、彼女の作品に潜む物語や対話、そしてアートの可能性について話を聞いた。

ヘンリケ・ナウマン追悼──家具から政治を読み解く

第61回ヴェネチア・ビエンナーレでドイツ代表としての参加が予定されていたアーティスト、ヘンリケ・ナウマン(1984〜2026)が2月14日に逝去した。再利用された家具を用いたインスタレーションを通して、ポスト社会主義社会や極右思想、消費文化の交差点を鋭く読み解いてきたナウマン。本稿では、批評家アンドリュー・マークルによる追悼文と、東京藝術大学で行われたインタビューを通して、その思考と実践を振り返る。

INTERVIEW

「貧」しくて「おいしい生活。」変わらない 清水穣評「井上有一の書と戦後グラフィックデザイン 1970s-1980s」展

渋谷区立松濤美術館で開催された「井上有一の書と戦後グラフィックデザイン1970s-1980s」展について、美術批評家・清水穣が評する。「書」というジャンルを超えた前衛美術の文脈で評価を受ける井上有一──彼の書を積極的に起用した戦後の日本のグラフィックデザインとの相関関係を考察する。

REVIEW

アサヒグループ大山崎山荘美術館が開館30周年の特別展。民藝の名品とともに同館所蔵のモネ作品を全点公開

京都・山崎のアサヒグループ大山崎山荘美術館が、2026年春に開館30周年を迎える。これを記念し、同館のコレクションにスポットを当てた2つの展覧会「山本爲三郎・河井寬次郎没後60年記念 共鳴 河井寬次郎×濱田庄司 ―山本爲三郎コレクションより」と「没後100年 クロード・モネ展」が開催される。 

NEWS / EXHIBITION

「―モンスーンに吹かれたように―」(岐阜県美術館)が開催。アフリカとアジア、移動と交流がもたらす表現の転換

岐阜市の岐阜県美術館で、アフリカに関わる現代美術を中心に、両地域のダイナミックな交流の足跡をたどる企画展「―モンスーンに吹かれたように― 大移動と交流のアフリカ‐アジアの現代美術」が開催される。会期は3月13日〜6月14日。

NEWS / EXHIBITION

じゆうとほう 椹木野衣評「メタル」展、VMO×飴屋法水「GUN」、「MIKAMI MEME 2025│三上晴子と創造のミーム」

「メタル」展、VMO×飴屋法水「GUN」、そして三上晴子没後10年追悼展「MIKAMI MEME 2025│三上晴子と創造のミーム」。3つの展覧会に共通するメタルとメタ・メタルをめぐる連鎖とは──美術批評家・椹木野衣が、金属をめぐる「じゆうとほう」について考察する。

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