桜の名所と見たい美術展ベスト10(東京編・2026年版)

3月後半から4月初旬にかけて、東京は桜の季節。東京23区内の桜の名所とともに楽しめる美術館を10カ所、2026年春の最新プログラムとともにセレクトした。

三井記念美術館が入居する三井本館と桜並木 photo:PIXTA

東京国立博物館(上野)と上野恩賜公園

 東京屈指の桜の名所・上野恩賜公園では、国立西洋美術館東京都美術館上野の森美術館東京藝術大学大学美術館など、様々な美術館の展示を桜とともに楽しむことができる。なかでも東京国立博物館は、常設展内で桜のシーズンだけの恒例企画「博物館でお花見を」(〜4月5日)を開催している。

上野恩賜公園の桜と不忍池(C)Photo AC

 主に日本美術を展示する本館の各展示室では、桜の名所を描いた塩川文麟筆《嵐山春景》(1873)などの絵画をはじめ、仁阿弥道八作《色絵桜樹図透鉢》(19世紀)や《桜西行蒔絵硯箱》(18世紀)といった桜をモチーフにした陶磁器や漆工を展示。該当作品のキャプションには桜マークがついており、それを探しながら展示室内の桜を堪能することができる。

「博物館でお花見を」メインビジュアル

 さらに、ふだんは立ち入れない本館北側の庭園が開放され、10種類以上の桜を見ることが可能だ。加えて、4月4日11時30分〜はボランティアによる桜をめぐる樹木ツアーも実施。本館前に集合すれば、無料でツアーに参加することができる。

東京国立近代美術館(竹橋)と北の丸公園

 皇居の堀沿い、北の丸公園に植えられた桜は、水景と桜を同時に楽しめる東京屈指のスポット。水に浮かぶ花を見ながらの散歩にうってつけなこの公園のほど近くにあるのが東京国立近代美術館だ。

北の丸公園の桜と皇居の堀 (C)Photo AC

 同館の所蔵作品展「MOMATコレクション」内では、「美術館の春まつり」(3月13日〜4月12日)と名づけられた企画が開催中。渓流を行く船と桜を描いた重要文化財、川合玉堂《行く春》(1916)をはじめ、桜を描いた名作が勢揃いする。また、同館2階にある「眺めのよい部屋」も、北の丸公園の堀の桜を一望できる人気スポットだ。

 なお、同館では関東圏では13年ぶりとなる下村観山の大規模回顧展「下村観山展」が3月17日より開催(〜5月10日)。全150点を超える作品から観山の画業をたどる本展も一緒に楽しんではいかがだろう。

昨年開催された「下村観山展」の先行記者発表会の様子。下村観山《唐茄子畑》(1910)を単眼鏡で鑑賞できる

山種美術館(広尾)と渋谷川

  渋谷から白金にかけての渋谷川沿いには多くの桜が植えられており、シーズンは多くの花見客で賑わう。この渋谷川を背に、恵比寿から青山方面に向かう途中にあるのが、日本美術や日本画のコレクションで知られる山種美術館だ。

 桜の季節に合わせて開催されている特別展「花・flower・華 2026 -横山大観の桜・川端龍子の牡丹・速水御舟の梅-」(〜5月10日)では、横山大観の《春朝》(1939)や、川端龍子 《牡丹》(1961)など、日本画の巨匠たちが描いた満開の桜を屋内で贅沢に鑑賞できる。

特別展「花・flower・華 2026 -横山大観の桜・川端龍子の牡丹・速水御舟の梅-」(2月28日〜5月10日)の展示風景より、荒木十畝《四季花鳥》(1917、山種美術館蔵)

 鑑賞後は、作品をモチーフにした華やかな特製和菓子を、ティーラウンジで味わうのも定番。松岡映丘《春光春衣》(1917)をモチーフとした「桜がさね」や、菱田春草《桜下美人図》(1894)から発想を得た「花のうたげ」など、ぜひ展覧会期間だけの特別な逸品を味わってほしい。

編集部