
“風景画”を再定義する画家。副田一穂評「吉本作次展 風景画論」
美術史上の絵画の技法や題材を参照しながら、現在の日本において可能な絵画を探求してきた吉本作次。自身の絵画体験や、日本文化としての落書きやマンガ的な要素をあえて取り入れている画家の最新作を含む展覧会「風景画論」が、名古屋のケンジタキギャラリーで開催された。愛知県美術館学芸員の副田一穂が、吉本の風景画を読み解いていく。

美術史上の絵画の技法や題材を参照しながら、現在の日本において可能な絵画を探求してきた吉本作次。自身の絵画体験や、日本文化としての落書きやマンガ的な要素をあえて取り入れている画家の最新作を含む展覧会「風景画論」が、名古屋のケンジタキギャラリーで開催された。愛知県美術館学芸員の副田一穂が、吉本の風景画を読み解いていく。

日本唯一のアウトサイダー・キュレーター、櫛野展正による著書『アウトサイド・ジャパン 日本のアウトサイダー・アート』の刊行を記念した初の大規模展が東京・Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)で開催された。会場に集まるのは櫛野によって発掘された、「障害がある・なしにかかわらず、表現せずには生きられない“表現者と呼ぶにふさわしい隠れた芸術家”」70名以上。本展から見えてくる、ある「せめぎあい」とは? アーティストの原田裕規が論じる。

1988年にニューヨーク証券取引所で上場したオークションハウスの巨頭・サザビーズが32年ぶりに非公開化。同社を買収したのは、フランスの通信大手会社「アルティス」の創業者兼アートコレクターのパトリック・ドライだ。

ミャンマーの現代美術を代表するアーティスト、ティン・リンの日本初の個展が、Shinwa ARTEX株式会社のギャラリーで開催されている。反政府活動の容疑で約7年刑務所に収監され、囚われた独房でアート作品を制作し続けたという独特な経験を持つティン・リンは、どのような作品を見せているのか? レポートで紹介する。

2016年から建て替え工事が進められてきた渋谷のランドマーク「渋谷パルコ」。今年11月下旬にグランドオープンを迎えるのを前に、その詳細が発表された。新生渋谷パルコはアートに注目したい。

東京・上野の国立西洋美術館で、「モダン・ウーマン―フィンランド美術を彩った女性芸術家たち」がスタートした。芸術家としての道を切り開いた女性たちの作品や素描、そしてフィンランドの美術教育までに焦点を当てる日本で初めての展覧会、その見どころは?

「あいちトリエンナーレ2019」出品作家のひとりであるアーティストのモニカ・メイヤー。展示に先立ち、モニカ・メイヤーの来日を記念した公開レクチャーと、作品の一部となるワークショップが行われる。公開レクチャーは6月24日、ワークショップは6月25〜28日の日程で開催。

東京都美術館が、今月15日に同館で開催中の「クリムト展」会場で起こったトラブルについて、謝罪を表明した。

ゲームの企画・開発・運営事業を展開する株式会社Cygames(サイゲームス)は、同社初となる、ゲームの背景美術にフォーカスした「Cygames 背景美術展」を大阪芸術大学で行う。会期は7月14日〜7月19日。また16日から最終日にかけては、背景美術に特化した学生向けポートフォリオ相談会も開催される。

NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で開催された展覧会「オープン・スペース 2018 イン・トランジション」の出品作である吉開菜央の一部作品場面が改変されたことに関して、美術評論家連盟は5月26日付で、東日本電信電話株式会社とエヌ・ティティ ラーニングシステムズ株式会社に公開質問状を送付。6月15日、同連盟はこれに対する回答を受領したことを発表した。

京都府立植物園で1週間限定で開催されたガイドツアー形式の展覧会「生きられた庭」。作家7名による「庭」での展示を、キュレーターが毎回異なるツアーで観客を案内し、ウェブ上ではそのドキュメンテーションを行った。「ナビゲーション」と「ドキュメンテーション」を介した本展の試みを、第16回芸術評論募集佳作作品「新しい孤独」の筆者がレビューする。

アートの分野のみならず、ファッション界などからも注目を集めるトム・サックス。その日本における美術館初個展「ティーセレモニー」は、大きな評判を呼んでいる。日本の「茶の湯」を換骨奪胎したようなこの展覧会からはユーモアとともにトム・サックスの真剣な眼差しが感じられる。本展とトム・サックスの制作姿勢を、アーティストの荒木悠が解き明かす。

科学的な視点と実験的な制作方法で、現代における写真の可能性を模索してきた小山泰介。その個展「レインボー・ヴァリエーションズ」が、東京工業大学 厚木キャンパスのカラボギャラリーで開催されている。会期は5月25日〜10月26日。

ファッション、デザイン、アート、建築、音楽と複数の分野にわたって活躍するヴァージル・アブロー。シカゴ現代美術館で開催中の個展「Figures of Speech」と並行して、シカゴのNikeLabで期間限定の「Re-Creation Center c/o Virgil Abloh」がオープンしている。アブローが手がけたこのポップアップで、スタッフにコンセプトについて話を聞いた。

ルイ・ヴィトンが2013年に発表し、瞬く間にアイコンバッグとして親しまれるようになった「カプシーヌ」を、現代美術の分野で活躍する6名のアーティストが独自の解釈。装飾の施された限定生産の「カプシーヌ」が6月28日より販売される。

18世紀の京都に彗星のごとく現れ、円山派を確立した絵師・円山応挙。また、与謝蕪村に学んで応挙に師事した呉春はそれに続いて四条派を興し、この二派は円山・四条派として近代にいたるまで京都画壇に大きな影響を与えた。こうした流れを追う展覧会「円山応挙から近代京都画壇へ」が、東京藝術大学大学美術館(8月3日〜9月29日)と、京都国立近代美術館(11月2日〜12月15日)で開催される(前期/後期、会場ごとに大幅な展示替えあり)。

東京国立博物館 本館11室で、特別企画「奈良大和四寺のみほとけ」が開催される。本展では、7〜8世紀に創建された岡寺、室生寺、長谷寺、安倍文殊院の4寺から、国宝4件、重要文化財9件を含む名品が一堂に会する。会期は6月18日~9月23日。

日本随一の観光地である京都。その嵐山に、2019年10月、新たな私設美術館「福田美術館」が誕生する。「100年続く美術館」をコンセプトに掲げるこの美術館の中身とは?

今年9月、メガギャラリーとして知られている「ペース」がニューヨーク・チェルシーに約7000平米におよぶ8階建ての新しいグローバル本社をオープンする。5階にわたる展示スペースで開催されるこけら落とし展覧会とは?

姫路市立美術館の「世界は暗闇からはじまるが、それでもやさしくうつくしい」が好調だ。来場者数は10万人を突破し、閉幕を前に開館以来最高となる数字を記録している。なぜ同館はリニューアル開館のこけら落としとして、チームラボの個展を選んだのか? そこに込められた地方美術館の思いを、同館副館長兼学芸課長の不動美里に聞いた。