きっかけは「彫刻」。近代から現代までの日本の彫刻・立体造形を通観する展覧会が熊本市現代美術館で開催

東京国立近代美術館が所蔵する、近代から現代までの日本の彫刻・立体造形を紹介する展覧会「きっかけは『彫刻』。―近代から現代までの日本の彫刻と立体造形」が、熊本市現代美術館で開催。それにあわせ、現代日本の彫刻・立体造形を特集する同館のコレクション展も行われる。会期は9月21日〜11月24日。

高村光太郎 手 1918頃 東京国立近代美術館蔵 撮影=大谷一郎

  「彫刻」という概念が誕生したのは明治時代のこと。それから大正・昭和初期の多様な展開、戦後に立ち上がった立体造形、そして現代彫刻までを通観する展覧会「きっかけは『彫刻』。」が、熊本市現代美術館で開催される。会期は9月21日~11月24日。

 本展では東京国立近代美術館のコレクションから、それぞれの時代における代表作を紹介。ロダンに大きな影響を受けた高村光太郎や萩原守衛をはじめ、木彫の世界を広げた平櫛田中や橋本平八、第二次世界大戦後の現代美術で存在感を示した舟越保武や向井良吉、そして赤瀬川原平菅木志雄、遠藤利克らによる作品が並ぶ。近代日本に発生した「彫刻」という概念が作家たちにどのような刺激を与え、また作家たちは「彫刻」をいかに解釈したのかを探る。

平櫛田中 鏡獅子試作頭 1938 東京国立近代美術館蔵
赤瀬川原平 患者の予言(ガラスの卵) 1962/94 東京国立近代美術館蔵 撮影=大谷一郎

 あわせて、熊本市現代美術館のコレクションから現代日本の彫刻・立体作品を特集し、私たちと同時代を生きるアーティストたちから生み出される表現にフォーカスする展覧会も開催。同館が所蔵する彫刻・立体作品は、木彫やブロンズなど彫刻ならではの素材に加え、布や鉄、FRPなどの多様な素材や新しい技術が用いられていることが特徴。また、草間彌生、ひびのこづえ、田部光子など女性作家の活躍にも注目したい。

ひびのこづえ 白いフェルトの服(穴、三日月、トゲ、アコーディオン、うろこ) 1991
動物の頭(くま、さる、さい、ぞう、うま) 2009 すべて熊本市現代美術館蔵

 今回は、熊本で東京国立近代美術館のコレクションを見られる貴重な機会。「きっかけは『彫刻』。」と題し、近代日本における「彫刻」の解釈と発展、そして現代の多様な作品群までの変遷を追う2展を、逃さずチェックしてほしい。

編集部

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