『A子さんの恋人』などで知られる近藤聡乃の個展が開催。アニメーションからマンガまで、多岐にわたる活動が一堂に

ニューヨークを拠点に、アニメーションからマンガ、絵画、エッセイまで幅広く手がける近藤聡乃。これまでの作品を振り返る個展「呼ばれたことのない名前」が、福岡の三菱地所アルティアムで開催される。会期は10月12日~11月10日。

近藤聡乃 KiyaKiya 2010-11 シングルチャンネル・アニメーションビデオ 音楽=ジョン・ゾーン Courtesy of the artist and Mizuma Art Gallery

 近藤聡乃は1980年生まれ、2003年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。08年よりニューヨークを拠点とする。幼少期の記憶やとらえどころのない感覚を汲み取り、マンガやアニメーション、絵画、エッセイなど幅広い手法で制作を行ってきた。

 今年はアヌシー国際アニメーション映画祭で《てんとう虫のおとむらい》(2005-06)が上映されるなど、国内外での評価を確かなものにしている近藤。近年の主な展覧会に「MAM SCREEN 008: 近藤聡乃」(森美術館、2018)、「Forms and Effects: Ukiyo-e to Anime」(Kresge Foundation Gallery、2017)などがある。

近藤聡乃 KiyaKiya_painting02 2011 キャンバスに油彩 撮影=宮島径 Courtesy of the artist and Mizuma Art Gallery

 そんな近藤の初となる回顧展「呼ばれたことのない名前」が、福岡の三菱地所アルティアムで開催される。会期は10月12日~11月10日。

 本展では代表的なアニメーション作品のほか、高校時代に初めて描いたマンガ『女子校生活のしおり』や現在連載中の『A子さんの恋人』、そして未発表の絵画作品を含む約50点を紹介。また「何とも説明し難い、懐かしいような、気がかりなような」「既視感の気分」といった意味を持つ古い言い回し「胸がきやきやする」に着想を得て、アニメーションやスケッチ、絵画、ドローイングなど異なるメディアを用いた作品《KiyaKiya》の作品群も展示される。

 1998年から現在まで、近藤の活動の軌跡を振り返る本展。その多面的な創作から浮かび上がる、独自の表現世界を堪能したい。

近藤聡乃『ニューヨークで考え中(2)』(亜紀書房、2018)より Courtesy of the artist and Mizuma Art Gallery

編集部

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