荒川修作+マドリン・ギンズの世界にインスピレーションを得て。舞台作品『パズル・クリーチャー』が瀬戸内・豊島で上演

荒川修作+マドリン・ギンズの世界に着想を得た舞台作品『パズル・クリーチャー』が、「瀬戸内国際芸術祭2019」の秋会期にあわせて豊島で上演される。日程は9月28日〜29日。

ネオン・ダンス『パズル・クリーチャー 豊島にて』イメージ

 建築作品《養老天命反転地》(岐阜県養老町、1995)や《三鷹天命反転住宅》(東京都三鷹市、2005)、「ダイヤグラム(図式)」絵画、そして数々の著作で知られる荒川修作+マドリン・ギンズ。その世界にインスピレーションを得た舞台作品『パズル・クリーチャー』が、「瀬戸内国際芸術祭2019」の秋会期にあわせ、豊島で上演される。

 公演を手がけるのは、イギリスを拠点とする創造集団「ネオン・ダンス」。昨年「越後妻有アートトリエンナーレ2018」出展作として上郷クローブ座で初演を行い、その後のヨーロッパ公演でも大きな反響を呼んだ。

ネオン・ダンス『パズル・クリーチャー』(上郷クローブ座、2018年9月)公演の様子

 本作は、ギンズの著作である『ヘレン・ケラーまたは荒川修作』の最終章「批判する浜辺(Critical Beach)」に着想を得たもの。ダンサーたちは日英の手話を用いて交信し、身体の一部を外在化させるようなオブジェを身にまとう。そして時間や空間、複数の地平線を縦横無尽に行き交い、鑑賞者も一体となってやがてそれぞれの「降り立つ場」に身体を委ねてゆく。

ネオン・ダンス『パズル・クリーチャー』(上郷クローブ座、2018年9月)公演の様子

 タイトルの「パズル・クリーチャー(Puzzle Creature)」とは、荒川+ギンズによる造語。ふたりは「私たちは一体だれであり、何の種であるのでしょう? Puzzle creatures to ourselves, 私たちは解明し得ない世界の訪問者なのです」と、その著作『建築する身体』のなかで問いかけている。

 瀬戸内海に浮かぶ豊島の浜辺で、周囲の環境や自然を舞台として行われる『パズル・クリーチャー』。見る者も見られる者も一体となってつくり出す舞台を、この機会に体験してみてはいかがだろうか。

編集部

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