東京で確かめる、いまの手応え
──絵が完成すると、キャラクターたちは作家の手を離れて世界へ旅立っていきます。彼らはその後、それぞれの人生を歩んでいくのでしょうか?
バス そうだといいですね。私は自分の作品にあまり執着がないんです。産んだら、すぐ里親に預けるような感覚で、みんなもう手を離れた子たちです。どう解釈されるかにも、作品そのものにも、こだわりはありません。ただ、作品のなかにヒントは残していると思います。それに幸い、生きているうちは自分で作品について書くこともできる。例えば「The Visitors」展の公式図録では、すべての作品に文章を添えました。自分の言葉で直接書いたものもあれば、架空のトリップアドバイザーのレビューもあります。最近は、自分の言葉も作品の一部にしていくことに興味が湧いてきましたね。見当違いの解釈を何度も読まされると、さすがに「ちょっと言わせて」という気持ちになりますから。
──東京での個展は8年ぶりです。あらためてここで展示することを、どう感じていますか?
バス 今回はまだ東京をゆっくり楽しめていないのですが、前回来たときは本当に楽しかったです。アメリカで、キューバ系の家庭に育った私にとって、アジアで過ごす時間があるなんて想像もしていませんでした。まして韓国や日本、中国のような国に自分の作品を好きでいてくれる人たちがいるなんて。いまだに驚いています。物語性が響いたのかもしれませんが、これほどすんなり受け入れてもらえた理由は、いまだにはっきりとはわかりません。ただただ、ありがたいですね。だからこそ、作品が変化していくなかで、東京の観客がどう反応するのかがいつも気になります。良くも悪くも、「これはうまくいっているのか?」を測る、自分にとって大切なバロメーターなんです。




















