04. 折り畳み傘 エミリー・カーマ・イングワリィ《春の風景》(アーティゾン美術館)

夏の強い日差しや突然のゲリラ豪雨をエレガントにしのぐなら、折り畳み傘「エミリー・カーマ・イングワリィ《春の風景》」を選びたい。オーストラリアの先住民アボリジナルの現代アーティスト、エミリー・カーマ・イングワリィが描いた傑作を大胆に全面へあしらった晴雨兼用の傘だ。
一見すると色鮮やかなドットが踊る作品だが、そこに表現されているのはオーストラリアの大自然が魅せる「春の息吹」そのもの。広げるたびに、エネルギーに満ちた色彩が視界いっぱいに広がり、どんよりとした雨空や厳しい猛暑の憂鬱をパッと華やかに塗り替えてくれる。
本商品は在庫がなくなり次第販売終了となるが、同じ作品をモチーフにしたフラットバッグもショップにて販売されているため要チェック。現在、同館ではコレクション展のほか「エットレ・ソットサス —魔法がはじまるとき、デザインは生まれる」や「瀧口修造 書くことと描くこと」も10月4日までみることができる。
アーティゾン美術館
住所:東京都中央区京橋1-7-2
05. 折り畳み傘 日本風の花瓶(ポーラ美術館)

同じく晴雨兼用傘として、ポーラ美術館の「日本風の花瓶」も外せない。オディロン・ルドンが描いた、東洋的な花瓶からあふれんばかりに咲く花々の絵画を内側にあしらった一品だ。ルドンといえばモノクロで怪奇的な作品が有名だが、本作の息をのむほど鮮やかで幻想的な色彩を見れば、その印象は180度覆る。
先述の《春の風景》も同様だが、美術館が誇る大切な収蔵品を傘というかたちにきちんと仕立ててくれるのが美術ファンにはたまらなく嬉しい。ありふれた量産品とは一線を画す、所蔵館ならではの美学を反映した、自分だけの秘密の特等席を持ち歩くような高揚感を与えてくれる夏の名品だ。
《日本風の花瓶》は現在コレクション展で見ることができるほか、モネの没後100年とポーラ美術館の開館25周年を記念した「あたらしい目 ― モネと21世紀のアート」展も開催されている。標高の高い場所に位置する同館は都市部よりも涼しく、避暑地としてもおすすめしたいスポットだ。
ポーラ美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
06. 扇子 ホワイト ART VIA TOKYO(東京都美術館)

夏の涼をスタイリッシュに持ち運ぶ道具として、東京都美術館のオリジナルグッズ「扇子 ホワイト ART VIA TOKYO」に注目したい。同館のブランドロゴとアルファベットが白地に軽やかに散りばめられた、グラフィカルで現代的なデザインが目を引く。伝統的な和の佇まいを残しつつもモダンで、洋服にも和服にも美しく馴染むのが魅力だ。
美術館を「アートという旅の中継地」と捉え、ここで得た刺激を糧に次へ旅立ってほしいという願いが込められた一品。場所のアイデンティティと旅の思想を、日常使いの小物へスマートに昇華させている。
なお、東京都美術館は今年開館100周年を迎えた。それを記念する展覧会として「この場所の風景―上野・大牟田・ブエノスアイレス」と「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」のふたつが開催されており、足を運ぶのにも絶好の機会となっている。
東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
07. 扇子 川端龍子《草の実》(大田区立龍子記念館)

和の情趣あふれる涼を求めるなら、大田区立龍子記念館の「扇子 川端龍子《草の実》」が素晴らしい。近代日本画の巨匠による代表作を配した一品だ。本作の面白さは、最高級の金泥を用いながらも、描かれているのが「自宅近くの荒地に生い茂る雑草」という身近なモチーフである点だ。豪華絢爛さと、夜に沈みゆく草むらのリアルな気配とのギャップがたまらなく魅力的である。
この扇子は名画のエッセンスを美しく閉じ込めているが、横幅約7.6メートルにおよぶ本物の屏風が放つ、鳥肌が立つような圧倒的スケール感は、ぜひ展示室で生で体感してほしい。旅の記憶とともに、日常に粋な涼を添えてくれる極上の夏グッズと言えるだろう。
また、同館では名作展「彩る、生きものたち。 川端龍子の観察と想像」も8月23日まで開催中。数ある龍子作品のなかから「生きもの」をテーマとした選りすぐりを展示している。
大田区立龍子記念館
住所:東京都大田区中央4-2-1



















