EXHIBITIONS

三島由紀夫 ― ピエル・パオロ・パゾリーニ

対峙の⼿がかり 沈黙せず、⽬をそらさずに

イタリア⽂化会館 エキジビションホール
2026.06.26 - 07.29

Ken Domon《Yukio MISHIMA》(1955) ©Collection of Ken Domon Museum of Photography

 東京・九段下のイタリア文化会館エキジビションホールで、展覧会「三島由紀夫ーピエル・パオロ・パゾリーニ 対峙の手がかり 沈黙せず、目をそらさずに」が開催される。会期は6月26日~7月29日。

 本展は、20世紀を代表する表現者であり、その複雑さから捉えがたいとされる三島由紀夫とピエル・パオロ・パゾリーニのふたりを、初めて対話的なかたちで提示する国際的な展覧会だ。文化的、地理的、および歴史的な背景が異なる両者は、生涯において直接出会うことはなかった。しかし、それぞれの生きる時代に対する鋭い批評精神や、失われゆく伝統や過去への深い意識、さらには文学、映画、演劇など複数の領域を横断する創作活動において、多くの共通点を有している。

 展示は「肉体」「責任」「文学」「映画」「劇場」「芸術連関」「社会」という7つのキーワードを軸に構成される。会場にはアーカイブ資料、写真、書籍、初期作品、インタビュー、記事、ドローイングなどが並び、思想のみならず、公的存在としての姿や20世紀の国際文化における役割を再考することを目指している。

 また本展では、写真というメディアが両者の公的イメージをいかに形成し、解釈されてきたかという点にも注目する。展示の重要な軸として、土門拳による《Yukio MISHIMA》(1955)やトゥッリオ・ファラボラによる《Pier Paolo Pasolini a Roma》(1960)といった写真が出品されるほか、篠山紀信、フェデリコ・ガロッラ、サンドロ・ベケッティなどの写真家たちが捉えた二人の表情や身体が、その思想や文化的遺産を読み解く手がかりとして紹介される。

 本プロジェクトは三島由紀夫文学館館長の佐藤秀明(三島担当)とロベルト・カルネーロ(パゾリーニ担当)の両キュレーターとの協働により実現した。展示および関連資料は、すべて日本語とイタリア語のバイリンガルで展開。たんなる伝記的な比較にとどまらず、文化の画一化と歴史の喪失に抗い続けた二人の軌跡を通して、開かれた対話の場を生み出すことを目的としている。