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INSIGHT - 2019.1.12

2020年は開館ラッシュ。アーティゾン美術館から国立工芸館まで、注目の6美術館をピックアップ

東京オリンピック・パラリンピックが行われる2020年。この時期、日本全国で様々な美術館がリニューアルオープンや新規開館を迎える。そのなかから、ここではとくに注目したい6つの美術館をピックアップ。開館時期順に紹介する。

 

アーティゾン美術館外観

老舗美術館の新たな時代。「アーティゾン美術館」

 1952年にブリヂストンの創業者・石橋正二郎が収集した美術作品を展示するため開館したブリヂストン美術館が、2020年1月18日に「アーティゾン美術館(ARTIZON MUSEUM)」として開館する。

 新たな館名は、「ART」と「HORIZON」を融合させた造語で、世代や地域を超えたより広い鑑賞者に対応し、印象派、近代洋画、古美術といったこれまでの美術館イメージから脱却し、新たな地平を目指すべく名付けられたものだ。

 新美術館は、2019年7月竣工予定の23階建て高層ビル「ミュージアムタワー京橋」の1〜6階に入居し、展示室は4〜6階の3フロア。これは旧美術館の約2倍の面積となる。

 開館記念展は、「見えてくる光景 コレクションの現在地」(〜3月31日)。その後のラインナップについても注目だ。

アーティゾン美術館外観

田根剛が設計。「弘前れんが倉庫美術館」

 2018年に東京オペラシティ アートギャラリーで大規模個展を行った建築家・田根剛。その田根が手がけるのが、2020年4月11日に開館予定の「弘前れんが倉庫美術館」だ。同館は、明治期にシードル(リンゴ酒)工場として建造され、第二次大戦後に吉井酒造に引き継がれた「吉野町煉瓦倉庫」をリノベーションするもの。

 建物はA棟・B棟とC棟の3棟構造で、高さ15メートルの展示室をはじめ、スタジオ、ライブラリー、ワークラウンジ、カフェ、ミュージアムショップなどが入る予定。総合アドバイザーは森美術館館長・南條史生が務める。産業遺産をどのように文化施設へと転用させるのか、注目が集まるプロジェクトだ。

 開館記念展では、三木あき子がキュレーションを担当する「Thank You Memoryー醸造から創造へ(仮)」を開催(〜8月31日)。藤井光、畠山直哉、ジャン=ミシェル・オトニエル、ナウィン・ラワンチャイクン、笹本晃、イン・シウジェン、奈良美智が参加する。

上空からみたシードル・ゴールドの屋根 (C) Atelier Tsuyoshi Tane Architects

新宿に新たなランドマーク。「SOMPO美術館」

 1976年に「東郷青児美術館」として開館し、その後名称変更を重ねて14年から運営されている「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館」が、2020年5月28日に「SOMPO美術館」として新たに開館する。

 「SOMPO美術館」は、同社本社ビルの敷地内に新築されるもので、6階建て。1階がエントランス、2階がミュージアムショップと休憩スペース、そして3階から5階が展示室として構成される。設計は大成建設株式会社一級建築士事務所で、展示室デザイン・内装は丹青社が請け負う。

 こけら落としとしては、「開館記念展I 珠玉のコレクション一いのちの輝き・つくる喜び」(5月28日〜7月5日)と「開館記念展II 秘蔵の東郷青児-多才な画家の創作活動に迫る」(7月18日〜9月4日)が開催。 

建設中の「SOMPO美術館」

東京国立近代美術館工芸館が金沢へ移転。国立工芸館

 1977年に東京国立近代美術館の分館として開館した東京国立近代美術館工芸館が、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催前に「国立工芸館」として石川県金沢市で移転・開館する

 移転に際しては、現工芸館が所蔵する美術工芸作品のうち70%に当たるおよそ1900点以上が金沢へ移る。なお、美術館の外観は、国の登録有形文化財である「旧第九師団司令部庁舎」と「旧金沢偕行社」が活用される予定となっている。

移転後の「国立工芸館」完成イメージ

「グタイピナコテカルーム」も設置。大阪中之島美術館

 大阪の中心部である中之島に、大阪と世界の近現代美術をテーマとする美術館「大阪中之島美術館」が2021年度をめどに開館する。

 同館は5階建て構造で、美術館棟の面積は1万8566平米。設計は遠藤克彦建築研究所が手がける。館内には全フロアを縦に貫く吹き抜けやオープンな屋内空間「パッサージュ」があり、様々な人が自由に行き来できるほか、館内コレクション展示室には、具体美術協会の活動を紹介する「グタイピナコテカルーム」が設置される予定となっている。

大阪中之島美術館外観イメージ 提供=大阪市

注目はジャイアントルーム。八戸市新美術館(仮)

 青森県八戸市街地の中心部に、1986年に開館した八戸市美術館が2017年4月に閉館。全面リニューアルし、2021年夏頃の開館を目指し、八戸市新美術館(仮)構想が進められている。

 西澤徹夫建築事務所・タカバンスタジオ設計共同体が設計を手がける新美術館は、敷地中央にパブリック・スペースである「ジャイアントルーム」を設置。ラーニングセンター機能の基幹となるスペースで、展覧会の企画準備などを可視化するほか、各種イベント開催の舞台として活用されるという。

八戸市新美術館の外観イメージ 提供=八戸市