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万博の「null²」が横浜で“転生”。落合陽一の常設ミュージアムシアター「null²ⁿ」とはどんな場所?【3/4ページ】

 次の「弐(Second Room)」は、「無眼界の夢」と題された空間。ここでは一転して視覚的な演出が排除されている。

 落合はこの空間について、視覚的な体験を一切設けていないことを特徴として挙げた。視覚情報に依存しがちな現代人に対し、聴覚と身体感覚による異なる世界の認識を提示するものとなっている。

 さらに「参(Third Room)」の「質量への承継」では、これまでのデジタルな体験から一転して、物理的な道具や装置が主役となる。このエリアには、カメラや工具など、人間が長い歴史のなかで生み出してきた様々なメディアや道具を集めた棚が設けられている。これらは人間が道具を用いていかに世界を認識し、記録し、表現してきたかという歴史を浮かび上がらせるものだ。

棚が無限に続くように見える「参(Third Room)」

 ここで落合が問いかけるのは、人間にとって「記号」とは何なのか、ということ。今回の施設で重視した、人間と道具の関係がもっとも具体的なかたちで示されるエリアと言えるだろう。

「参(Third Room)」には現代ではなかなか目にすることがない機器なども展示
「参(Third Room)」より

 そして「肆(Fourth Room)」の「潜在空間の夢」では、再びデジタル空間へと足を踏み入れる。

 ここで展開されるのは、コンピューターが内部で見ている世界や、AIが学習していく過程を可視化したかのような映像空間だ。落合はこのエリアについて、人間と計算、そして計算と自然との関係を、説明を聞くのではなく、五感を通して捉え直すことを意図していると説明。インタラクティブな演出も取り入れられており、鑑賞者の存在によって変化する体験が用意されている。

肆(Fourth Room)
肆(Fourth Room)

 最後の「橋(Bridge)」は、「記号の彼岸」と題された空間。デジタルとフィジカル、視覚と聴覚、記号と物質の世界を巡った来場者は、ここを通り抜けることで再び日常へと戻っていく。

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