落合陽一は、東京大学で博士課程を修了後、筑波大学でメディアアートの研究やコンピュータや電子回路などのデジタル装置だけでなく虫眼鏡、万華鏡、時計などアナログ装置を先端技術と組み合わせて作品を制作している。
本展では、メディアアートの国際的論文誌である『Leonardo』誌で表紙作品に選ばれた《アリスの時間》(2014年)、ストロボの点滅による回転覗き絵にスライド映写機を搭載し、立体アニメーションをスクリーンに映し出す《ゾートログラフ》(2016年)、県北芸術祭にも出展された作品で、音波を飛ばし人の気配を蘇らせる《幽体の囁き》(2016年) の3つのインスタレーションを展示。
「イメージ」を「移ろうかすかなこと=幽」、「物質」を「根源的で確かなこと=玄」とし、ビジュアルを通して「幽玄」という日本的美意識を浮き彫りにし、「幽玄」の表現可能性を探る。