5つの体験エリアと2つのLEDシアター
では、実際に「null²ⁿ」ではどのような体験が待っているのだろうか。今回の施設の核となるのが、2つの巨大なLEDシアターだ。大阪・関西万博ではLEDシアターは1室だったが、横浜では2室へと拡張。光と鏡、映像を組み合わせることで、現実と仮想の境界が曖昧になるような空間体験を生み出す。
施設は5つの体験エリアを中心に構成され、入口の「門」から最後の「橋」まで、約60分かけて順番に巡る構成となっている。落合自身による各エリアの解説とともに、その内容を紹介していこう。
最初に訪れるのは、「門(Gate)」と呼ばれる空間だ。「皆空鏡門」と題されたこの場所では、大阪・関西万博でも使われたミラー膜で覆われた震える壁面が、「null」の世界への入口として来場者を迎える。落合によれば、視覚や聴覚だけでなく身体全体で感じる体験によって、日常の世界から非日常的な空間へと移行する感覚を生み出しているという。

続く「壱(First Room)」は、「さよならホモサピエンス」と題されたエリア。大阪・関西万博のミラーシアターを横浜向けに再構成したもので、万博では4面だったLEDが5面へと拡張された。
この空間では生命が出現するかのような映像表現や、アプリを使用することでデジタルヒューマンとなった自分自身との対話、AIと人間が生み出す様々な風景を体験できる。人間が日常的に身につけている記号や意味を手放し、自らの身体や存在を捉え直すことを促す空間だ。






















