圧倒的なコレクションと50年の蒐集活動を目の当たりにする
本展に参加するのは、アウト・オブ・民藝(軸原ヨウスケ、中村裕太)、イタイミナコ、岩根愛、内田聖良、國政サトシ、身体0ベース運用法(安藤隆一郎)、服部浩之、藤浩志、山岸耕輔・瀬戸彩花。秋田でのレジデンス経験者や油谷とゆかりのある表現者など、9組の作家が名を連ねている。本展のコンセプトにあわせて展開された多様なアプローチのなかから、いくつかピックアップして紹介したい。


会場に足を踏み入れると、まず目を奪われるのが、ギャラリーの壁面に沿って奥へと広がる蒐集品の数々だ。独特のリズム感を持って陳列された品々を眺めるだけでも、コレクションの幅広さに圧倒される。
この展示を手掛けたのは、国内外で活動する美術家でありアーツセンターあきた理事長も務める藤浩志だ。おもちゃの分類や分解、集積を通じたプロジェクトで知られる藤は今回、民具ラボのメンバーとともに、秋田で整理されてきた「1/1000 油谷コレクション」をこのギャラリー空間に再配置した。目の前に広がる「もの」の群れを前にすると、鑑賞者の内側には「これはいったいなんなのか」「自身の視点からどう捉えることができるか」といった、能動的で自由な問いが自然と湧き上がってくる。

壁面を進むと、キュレーターの服部浩之と写真家の岩根愛によるプロジェクト《油谷さんの声が聞こえてくる》(2026)が掲示されている。倉庫の様子や蒐集品の写真、そして油谷自身の言葉。50万点の「もの」を集め続けてきた油谷の「蒐集の哲学」が、言葉とビジュアルを通して立体的に立ち現れる。なお、これは2022年から服部が続ける油谷へのインタビューの記録からの抜粋であり、9月末には書籍『蒐集がアートになるとき When Collecting Becomes Art』として刊行を予定している。会場では、その予告編であるZINEの試し読みや購入も可能だ。



















