「建物公開2026 アニマルズ in 朝香宮邸」(東京都庭園美術館)開幕レポート。アール・デコの名建築に潜む、愛らしき動物たち【2/3ページ】

大客室の天井付近の壁面装飾パネルに注目

 続く大客室では、壁面装飾パネルに注目したい。これは朝香宮邸の室内装飾の責任者だったアンリ・ラパン(1873〜1939)によるもので、木々が生い茂る空間にアーチ状の建造物、そして噴水の水を飲む鹿たちの姿が描かれており、牧歌的な雰囲気を醸し出す。

ラパンが手がけた壁面装飾パネル

 大食堂を彩る壁面装飾パネルもラパンの手によるもの。朱色のパーゴラの下の池では白鳥と黒鳥が泳いでいるが、注目したいのはその背後。壁泉の周囲に描かれた4つのモチーフだ。なかには現在も正体が不明のモチーフがあり、想像力を掻き立てられる。

ラジエーターの飾り金物

 朝香宮邸には、各所に暖房機器であるラジエーターが設置されており、それらは金属製の飾り金物によって覆われている。現存するラジエーター用の飾り金物のうち、大食堂と若宮寝室、合の間、若宮居間にあるものは、魚と貝がモチーフだ。

 このほかにも、本館内には様々な動物の姿が隠されている。建築とともに、目を凝らしてほしい。

会場では、絵画制作を趣味としていた允子妃が、成婚前の内親王時代に描いたスケッチも展示されている
ベランダ
北の間

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