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白木谷国際現代美術館とは何か。通常営業を終える「高知の前衛」の最終到達点を見る【2/4ページ】

個人作品としての美術館

 同館は館そのものを武内の前衛作品と見るのが正しいだろう。館内では武内が病に伏せるなか、2022年より企画展「どんなことがあろうともしっかり頑張るぞ! 白木谷国際現代美術館は」展が開催され続けている。館の内外の様子をレポートする。

白木谷国際現代美術館の外観。制作する武内の写真(右)と、武内と浜口富治が酒を酌み交わしている写真(左)が強烈な印象を与える。すぐ裏手は岸壁となっており、下に笠ノ川川が流れている
受付でもある喫茶スペース「CHAT HOUSE」。天井、柱や壁に武内が自身の手形を無数につけた

 美術館の外壁には、武内が作品を制作する写真、そして高知の前衛シーンで重要な役割を果たした美術家・浜口富治と酒を酌み交わしている写真が掲げられており、ただならぬ雰囲気を漂わせている。ここが美術館であることもにわかには信じがたい気持ちになる。

 館の受付は喫茶スペース「CHAT HOUSE」となっており、ここでは嘉子氏が煎れてくれたコーヒーを飲むことができる。カフェの壁面からテーブルにいたるまで、武内による自身の手形がつけられており、独特の佇まいとなっている。

《母体の中で見た厳しい現実の夢》を下から見上げた様子。木材の連なりのうねりの上で、天井に貼られたレーザーディスクの盤面が輝く

 《北の門・南の門》と名づけられた、黄色と青の開閉式の門から館内に入ると、1棟をすべて使った圧巻の巨大なインスタレーション《母体の中で見た厳しい現実の夢》が来場者を迎える。壁面が青く塗られた部屋に約1万個の木材が、床から天井にかけてうねるようにネジ止めでつなぎ合わせられて林立し、天井には無数のレーザーディスクが貼り付けられている。さながら密林に分け入り、木漏れ日を見上げるような体験ができる。