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「中西夏之 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」(国立国際美術館)開幕レポート。不安定な絵画に見え隠れする強度【3/5ページ】

第2章「絵のある場所と絵の形」

 第2章「絵のある場所と絵の形」では、本格的に画家としての活動を開始した時期の中西の作品を展示している。「K.T像」シリーズは、正面に向かってシャツの前ボタンを開き胸をさらけ出す写実的な人物像と、鮮やかな、オレンジと黄緑の筆跡が生み出す扇形や矩形の抽象的な図形が組み合わされたものだ。直接的な身体への言及、そして内から外へと広がっていくような文様は、当時の中西の、身体と絵画双方を結びつける運動性への興味が見て取れるだろう。

 69年から71年にかけて制作された「山頂の石蹴り」シリーズは、キャンバス上の左右の要素を、中心に向かって統合していく過程が表れたかのような作品群だ。緻密に計算された色彩が複雑に重なり、融合と反発を繰り返しながら表れたそのイメージは、宗教的な図像を思わせる。

左から《K.T像・オレンジドア》《K.T像・グリーンドアⅢ》(ともに1966)。中央の人体像には素材となった青焼きが存在する
左から《山頂の石蹴り No.3》(1970)、《山頂の石蹴り No.2》(1969)。そのタイトルは作品の内容ではなく「つくられた場所と身体の動作または作画の所作」を表しているという。

編集部