「飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき」(水戸芸術館現代美術ギャラリー)開幕レポート。社会が求める「見世物」への回答

水戸芸術館現代美術ギャラリーで、認識のゆらぎや不確かさを主題とするアーティスト・飯川雄大の個展「飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき」が開幕した。会期は5月6日まで。会場の様子をレポートする。

文・撮影=安原真広(編集部)

飯川雄大《デコレータークラブ─ピンクの猫の小林さん》(2026)。展示室の空間を限界まで使っており、その全容がとらえきれない

 茨木県水戸市の水戸芸術館現代美術ギャラリーで、認識のゆらぎや不確かさを主題とするアーティスト・飯川雄大の個展「飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき」が開幕した。会期は5月6日まで。担当は同館学芸員の畑井恵。

 飯川雄大は1981年兵庫県生まれ。2007年より「デコレータークラブ」シリーズを展開し、公共空間や展示の仕組みに着目しながら、観客の身体感覚や想像力、場の偶発性によって変容する作品を制作してきた。本展は飯川の美術館個展としては最大規模のものとなる。

《デコレータークラブ─0人もしくは1人以上の観客に向けて》(2026)の部分。サッカーを嗜む飯川が指導者から言われた「スペースをつくれ、スペースを使え」という言葉が紐によって記されている

 本展は飯川にとってのライフワークとなっている「デコレータークラブ」シリーズを中心に展示している。なお、飯川はつねに会場で観客が作品と対峙したときの驚きや「間」を重視する。本稿についても、可能な限り「会場で発見されるもの」を明かさずにレポートしていきたい。

編集部