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歴史的建築がアートの拠点へ。水戸に「クヴェレ美術館」含む「テツ・アートプラザ」が誕生【3/3ページ】

開館記念展:「Meet 美の交差点」が示す視座

 開館を飾る「クヴェレ美術館 開館記念展 Ⅰ Meet 美の交差点 近代日本画と東洋陶磁」(〜7月5日)では、同館のアイデンティティが鮮明に提示されている。

 2階の展示室には、「優美」「たおやかさ」を切り口に、茨城ゆかりの横山大観や小川芋銭のほか、上村松園、鏑木清方、竹内栖鳳といった近代日本画の巨匠たちの作品が並ぶ。

2階展示室より、手前は板谷波山《葆光白磁蕗葉彫刻花瓶》(大正初期)と《葆光彩磁延壽紋様香爐》(大正後期)。奥が横山大観の大作《放鶴》(1912-13頃)
2階展示室より、手前は上村松園の円熟期の作品《雪》(1942頃)

 それらに対して1階に配されるのは、インド、地中海、中国、朝鮮半島、そして日本へと至る広大な地域から集められた工芸品の数々だ。これらは総数約250点にのぼる吉田コレクションの一部。水戸生まれの吉田は若くして家業の石油会社を継ぎ、社長として経営に携わる傍ら、水戸の文化振興に取り組んだ人物。

 時代や地域を超えて、美の「源泉(クヴェレ)」がどこで交わり、どのようにかたちを変えてきたのか。その系譜をたどるような展示構成となっている。

 志賀秀孝館長は新たな美術館の開館に際して、「美術をもって、皆が集える場所にしたい。気軽に作品を楽しみ、日常へ戻ってもらえるような楽しい鑑賞体験をしてもらえれば」と語る。

 水戸芸術館からもほど近いこのエリアに加わった新たな美術の拠点。歴史的な建築の中で、近代日本画やアジアの古陶磁が出会う「テツ・アートプラザ」の試みは、水戸という街の文化にさらなる奥行きを与えるものになるだろう。

1階の吉田コレクション

編集部

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