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27年の開館を目指して。宮島達男の作品を常設する《時の海 - 東北》美術館(仮称)、福島に建設

東日本大震災をきっかけに、宮島達男が進めてきたアートプロジェクト「時の海 - 東北」プロジェクト。その成果を常設すべく、建築家の田根剛による設計で美術館計画がスタートしている。

文=中島良平

《時の海—東北》美術館(仮)のパース ©Atelier Tsuyoshi Tane Architects

 「それは変わりつづける」「それはあらゆるものと関係を結ぶ」「それは永遠に続く」という3つのコンセプトに基づき、1から9までの数字が明滅を繰り返すLEDデジタルカウンターを用いた作品で世界的に知られる現代美術家の宮島達男。宮島は、2011年の東日本大震災を経て、犠牲者の鎮魂、震災の記憶の継承、そして東北の未来をともにつくることを願い、「時の海 - 東北」プロジェクトを続けてきた。これは東北に生きる人々や、東北に想いを寄せる人々など、3000名と協働してつくりあげるアートプロジェクトだ。宮島は本プロジェクトについて次のように語る。

 「このプロジェクトは、3.11の東日本大震災、そしてそれに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故という複合災害を契機に構想したものです。コンセプトとして大きく2つ考えたのが、まず、被災地に関係のある多くの方々を中心とした参加型作品にすること。実際に3000名の方々に参加していただき、協働作品をつくってきました。そしてもうひとつが、完成した作品を震災があった東北の沿岸地域のどこかに設置すること。海と作品をセットで見ていただけるような場所をつくり、その鑑賞体験がそのまま作品の一部となるような想定をしました」。

 宮島は2015年に宮城県石巻市で被災された地元の人々にヒアリングを行い、それから10年にわたり各地でワークショップの開催を続けてきた。参加者がデジタルカウンターを思い思いのスピードに設定し、3000台以上のカウンターが水中に並ぶインスタレーションの完成を目指している。

《時の海—東北》美術館(仮)の内部パース ©Atelier Tsuyoshi Tane Architects