1月5日開業:大谷グランド・センター(栃木・宇都宮)

宇都宮市大谷地区に開業する「大谷グランド・センター」(25年12月12日プレオープン)は、昭和期に建設された旧複合施設を再生し、アートと食を核とした文化拠点へと転換するプロジェクトだ。大谷石の採掘地として知られる地域性を背景に、建築そのものの荒々しさや素材感を活かした空間構成が大きな特徴。
館内には現代アートの展示スペースをはじめ、レストラン、カフェ、ショップなどが併設され、訪れる人々が長時間滞在し、地域と緩やかに関わることを想定した設計がなされている。常設展示はいま注目のアーティストであるYOSSHIROTTENによるもの。大谷石から着想を得た没入感のあるインスタレーション《大谷石景》は、この施設の顔と言えるだろう。
観光施設でありながら日常的な文化の接点として機能する点も注目される。地方都市における文化施設の役割を更新する試みとして、その動向が注視される。
2月14日開業:クヴェレ美術館(茨城・水戸)

水戸市中心部に位置する「テツ・アートプラザ」(25年11月21日プレオープン)は、旧川崎銀行水戸支店として使われていた歴史的洋風建築を活用した複合文化施設だ。重厚な外観と意匠を保存しながら内部を再構成し、「クヴェレ美術館」を中核に、展示空間やカフェなどを配置。近現代絵画や工芸作品を中心とした企画展を年に複数回開催し、地域に根ざした美術鑑賞の場を提供する。
銀行建築が持つ公共性と、現代美術の開かれた性質が交差することで、日常の延長としてアートに触れられる環境が生まれる点が特徴だ。都市の記憶を内包した建築を文化資源として再定義する試みとして、水戸の文化的景観に新たな層を加える存在となる。
3月5日開業:帝国ホテル 京都(京都・東山)

京都・祇園に建つ旧弥栄会館という登録有形文化財を活用した「帝国ホテル 京都」は、歴史都市における建築介入のあり方を問い直すプロジェクトだ。外観や意匠を継承しながら、内部には現代的な快適性と機能を組み込むという難度の高い条件のもと、新素材研究所による設計が進められた。
約55室の客室のほか、レストランやバー、ウェルネス施設を備え、帝国ホテルとしては東京、上高地、大阪に次ぐ4軒目の拠点となる。客室は異なる建築構造や眺望を特徴にした3つのエリアで展開。保存建築の意匠を重んじる保存エリア(本棟南西面)の客室は、柱や梁、窓枠などが、弥栄開館の名残を感じられるデザインとなる。たんなる高級宿泊施設にとどまらず、京都の景観や文化の文脈に深く配慮した空間づくりが特徴で、歴史的建築の保存と観光開発の関係性を問い直す事例としても位置づけられる。
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