「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」(TOKYO NODE)開幕レポート。シリーズが描いてきた身体と精神、それを支えてきた技術を見る【6/6ページ】

 黄瀬和哉監督の『攻殻機動隊 ARISE』(2013)は、監督を黄瀬和哉、シリーズ構成を小説家・冲方丁が務めたテレビシリーズ。公安9課が設立前のメンバーの物語や、草薙素子がかつて所属していた機関への話を中心に進む。展示されている資料からはスタッフを一新し、新たな攻殻機動隊像を探った道筋を感じられるだろう。また、本作の設定を引き継いだ『攻殻機動隊 新劇場版』の資料も同様に展示されている。

展示風景より、『攻殻機動隊 ARISE』(2013)の資料

 そして配信シリーズの『攻殻機動隊 SAC_2045』は『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の続編的立ち位置となっており、初のフル3DCGアニメとなる。会場では人物モデルの設計過程や3Dによるレイアウトなどが展示されている。

展示風景より、『攻殻機動隊 SAC_2045』の資料

 会場の終盤では、カット袋に入った制作資料を自分で引き出して、中に入っている原画や動画の複製を持ち帰ることができるコーナーもある。これらのカット袋を持ち帰ることができるチケットも販売されている。

展示風景より、カット袋と複製の修正

 別部屋に用意された《Sexy Robot_The Ghost in the Shell type 1》は、士郎正宗が影響を受け、また自身も影響を受けたという空山基の作品だ。「未来の身体」をイメージしたという本作は、継承される未来への想像力を感じさせてくれる。

展示風景より、空山基《Sexy Robot_The Ghost in the Shell type 1》

 また、生成AIを素材とした作品をつくる草野絵美による《EGO in the Shell》も、攻殻機動隊の提示した記憶や自我と呼応する作品として展示されている。サイボーグ女性として生きる一生を考察したという本作は、人間の記憶がどのようにつくられるのか、記憶の真実性とはなにかという問いかけが行われている。

展示風景より、草野絵美《EGO in the Shell》

 最後に展示されているのは、2026年に放送が予定されているTVシリーズ『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』の関連資料だ。士郎正宗の原作マンガを強く意識したものとなる本作の展示は、放送前の作品の資料を見られる機会となっている。

展示風景より、『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』の関連資料

 なお、本展では「電脳 VISION」と名づけられた、事前予約制の有料体験として、ARグラスをつけながら、展示解説を聞きつつ原画展示をめぐることもできる。スポットではAR上で名場面の再現もされるなど、本展の趣向に合った鑑賞体験ができる。

 「攻殻機動隊」シリーズが、問いかけてきたテーマ、それを支えてきたスタッフの技術が一堂に会する展覧会。とくに夜間の鑑賞がおすすめで、外光が入らず展示が見やすいうえに、シリーズで繰り返し描写される夜の都市空間のなかでの会場を見られるだろう。

編集部