「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」(TOKYO NODE)開幕レポート。シリーズが描いてきた身体と精神、それを支えてきた技術を見る【3/6ページ】

 資料展示は「攻殻機動隊」の初のアニメ化となった、劇場版『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』から始まる。90年代の手描きアニメーションの粋を集めた本作が、高度なアクション作画とレイアウト、背景美術、キャラクターデザインなど、日本のアニメーションの芸術性を世界に認めさせた歴史的作品であることはもはや言うまでもない。

展示風景より、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』のオープニングの原画

 映画冒頭、草薙素子が服を脱いでビルから飛び降り、こちらを見つめながら光学迷彩で都市に溶け込んでいくシーンは本作を象徴するカットであり、会場でも井上俊之が担当したこの場面の原画、そして動画を連続性を感じながら見ることができる。

展示風景より、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の草薙素子がビルから飛び降りるカットの原画と動画

 ほかにも、キャラクターデザインと作画監督を務めた沖浦啓之や、その後、『攻殻機動隊 ARISE』の監督を務める黄瀬和哉の仕事を随所で感じられるほか、磯光雄による博物館で多脚戦車との激しい戦闘カットや、浜洲英喜による自身の義体を破壊しながらも戦車のハッチを開けるシーンといった、本作を象徴するシーンの原画や動画、レイアウト、セル画などが見られる。また、監督の押井による絵コンテも多数展示されており、本作の画面の設計がいかになされたのかを知る一端となるだろう。

展示風景より、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の草薙素子がビルから飛び降りるカットのセル画
展示風景より、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の草薙素子が義体を破壊しながらも戦車のハッチを開けるカットのセル画

 また本作は、高層ビルと漢字の看板や露店の市場が入り混じる近未来という舞台設定も魅力となっている。こうした世界観は、リドリー・スコット監督『ブレードランナー』(1982)などを下敷きとしながらも、アニメーションでしかなし得ない細かなディティールの表現や、都市の霞を表現する撮影処理によって、圧倒的な説得力を持ち得ている。小倉宏昌が美術監督を務めた背景美術の展示も本展の見どころのひとつだ。

展示風景より、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の背景美術関連展示

編集部

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